2009年8月14日 (金)

『昭和20年8月9日。もしも、小倉が晴れていたら』映画上映会&トーク

『昭和20年8月9日。もしも、小倉が晴れていたら』というタイトルで
映画上映会と被爆者の方と語り合う会を行います。

あなたは知っていますか?
小倉が原爆投下の目標地であったこと。
偶然、難を逃れた街であったことを。

『昭和20年8月9日。もしも、小倉が晴れていたら』上映会&トーク

日  時  平成21年8月23日(日)13:00~

場  所  財団法人国際村交流センター 国際会議室
       〒805-0062北九州市八幡東区平野1−1−1

Timetable 13:00~ 『ヒロシマナガサキ』日本語版上映
       14:45~ トーク ※英語対応
       16:20~ 『ヒロシマナガサキ』英語版上映

上映作品  『ヒロシマナガサキ』(86分)
       監督:スティーブン・オカザキ/2007年製作/アメリカ映画 

ト ー ク  『原爆を体験された方のお話と在日外国人の方々も交えて座談会』
       ※英語対応
       白濱清太郎さん 被爆者。北九州原爆被害者の会八幡西支部長
       青野悦さん 被爆者。北九州原爆被害者の会若松支部副支部長

料  金  大人1000円、学生・在日外国人500円、

主  催  北九州しねま研究会

企  画  film and sleeping-bag series 実行委員会

共  催  財団法人北九州国際交流協会
         
後  援  北九州市
       北九州国際交流団体ネットワーク

問い合せ  北九州しねま研究会 吉武あゆみ
        TEL&FAX:093-582-4785、Mobile:090-1349-7362 
        E-mail : ayutaro01@yahoo.co.jp

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広島、長崎の次に原爆の被災地になり得た
~偶然、難を逃れた~ 小倉(北九州)。

PRでこの企画のチラシを小倉で配ると
多くの中高年の方々から
「俺、きっと生きていなかった」という言葉が返ってきます。

現実的に核兵器廃絶と世界平和の実現は
簡単には進まない事はわかっています。

しかし、だからこそ
私たち1人1人が戦争や原爆の悲惨さ無意味さを語り継ぎ
世論を作っていく必要があると思います。

米国オバマ大統領のプラハ宣言以降、
世界的に核廃絶、世界平和の流れが起きています。

そんな今だから
広島、長崎の次に被爆国として
語り続けなければいけないのは
小倉(北九州)の人々だと私は強く思います。

今回の企画は英語版『ヒロシマナガサキ』の上映、
トークには英語対応するなど日本の方だけでなく、
在日外国人の方々にも対応できる企画になっています。
国内外問わず老若男女の方々にお越しいただきたいと思います。

私の父は極めて小倉よりの八幡に住んでいました。
偶然のおかげでこの世に存在する有り難さを感じます。
誰もが、ささやかで豊かな暮らしを営めるような
そんな社会になれば良いなとしみじみ思います。

吉武あゆみ

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2008年8月 8日 (金)

「昭和20年8月9日。もしも、小倉が晴れていたら」映画上映会&トーク

今月末、自主上映会を行います。皆さまのお越しをお待ちしています。

「昭和20年8月9日。もしも、小倉が晴れていたら」映画上映会&トーク

■日程
平成20年8月31日(日) 13:00~ (約2時間)

■開催場所
北九州市八幡東区東田1丁目5番7号
ヒューマンメディア財団ビル1階 マルチメディアホール

■プログラム 映画2本上映。その後トーク。
(全体スケジュールは約2時間30分)

映画『魔法のランプのジニー』(アメリカ/2005/16分)ステファン・ソター、トレース・ゲイナー監督作品 
アメリカの12歳の少年2人が描いた広島・長崎原爆に関する短編ドキュメント。
国連や全米各地で上映され、絶賛された。国際子ども映画祭(ロサンゼルス)出展作品。

映画『ヒロシマ・原爆の記録』(日本/1970/30分)監督:松川八洲雄
映画的嘘を排し、遺されたモノを使って、原爆を受けたヒロシマとそこに生きていた人々を描き出そうとした作品。原爆投下一ヵ月後に撮影されたフィルム、資料館遺物や写真をコラージュした証拠資料による映像証言。教育映画コンクール金賞、フランス・ツール映画祭入賞他。

トーク:小倉が原爆投下の目標となった理由と被爆体験者のお話をそれぞれお聞きします。
工藤瀞也さん(小倉と原爆-軍都小倉と毒ガス爆弾・風船爆弾製造の記録 著者)
青野悦さん (大正15年生まれ、被爆者。北九州原爆被害者の会若松支部副支部長)

■料金:大人1000円、学生(小、中、高、大学)500円※幼児無料

【主催・お問合せ】
北九州しねま研究会 代表 吉武あゆみ Tel&Fax:093-582-4784、Mobile:090-1349-7362
※北九州しねま研究会とは… 地域の映画文化振興を目的に2002年4月より自主上映会企画、映画の勉強会、地元ならではの映画情報発信ほか様々な企画を行っているボランティアの市民団体です。

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Hirosima_genbakunokiroku_2  映画『ヒロシマ 原爆の記録』より

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2008年6月13日 (金)

ヒド過ぎる『マジックアワー』

どっちにしようか?散々迷った挙げ句、
結局『マジックアワー』を見ました。

ミク友けいさん、Tedさんの話どおり、酷い・ヒド過ぎる。
薄っぺら過ぎて、どうしょうもない!とはこの映画の事。
この映画は、何のために誰のタメに作られたの?
要は佐藤浩市の役者的新境地を見たくて
三谷幸喜のために作られた作品なんだよな。
だから他者が見るなんて前提、考えてないんじゃないかな?

実は、もう1本職場の同僚(男性)から、
「ヒド過ぎて、金を返してと言いたくなった」
という作品も現在公開中。
両方のキーワードは、綾瀬はるか。
ヒドさを確認すべきか?金と暇の無駄遣いと考えるか?
う~ん…そこが問題だ。

に、しても映画館を出る時、
もの凄く太った3人組が
「佐藤浩市は良かった。さすが!複雑な脚本だ!」と
手放しで褒めながら帰る現場に遭遇。
正直、その光景もヒド過ぎるなぁ、と。

心の底から思います。
映画館で映画を上映したいなら
1作品としてその映画の力だけで勝負しろ!!
最近の、主演や監督がTVに出まくって
興行成績を上げる、そうしたやり方は
いい加減やめてほしい。
(あれだけ宣伝して、そこそこ観客が入らない方がおかしい。
 恥ずかしいと思わないのかな?三谷幸喜)

こうした動きは役者も観客も育てない。
特に今回みたいに、蓋を開けたらヒドい出来の場合取り返しがつかない。
多くの国民が、この映画のレベルがスタンダードと勘違いするからだ。
結果、将来的に日本の映画やTVの文化を壊滅しかねない。
彼らは、メディアという大きな影響力や権力を軽るんじ過ぎている。

主役以外の役者達も観客も一般市民もバカにし過ぎている。
(ほとんどの役者の表情が生き生きしていない…)
三谷幸喜がここまで観客の足元をみる人だとは思わなかった。
約20年前に福岡で見た東京サンシャインボーイズの
芝居『ラジオの時間』が懐かしい…。

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2008年6月10日 (火)

パツキンの黒髪化

うわっ!ビックリ(しかも、今ごろ…)
『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』の
ドイツ人女性将校の役って、ケイト・ブランシェットだったのね!
http://www.indianajones.jp/top.html
イメチェン、凄いなぁ。

『ラスベガスをぶっとばせ』のケイト・ボスワースも同じでしたね。
パツキンが似合う女性は黒髪ボブヘアーも似合うし、
イメチェン度180%だワわーい(嬉しい顔)

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2008年6月 2日 (月)

刺激的な方々&ゆふいん文化記録映画祭 (ブログ復活します)

この数日間、とても良い刺激的を受けた日々でした。
この出会いの恩を私なりに発酵させて、何らかの形で
社会に還元しなきゃね。

 で、今日のblogは良い刺激を与えてくれた人シリーズ。

◎永井義人さん
5/29職場の講座に講師として来ていただく。
http://blog.goo.ne.jp/nagai_goo/ 《永井さんのブログ》
永井さんほど的確に状況把握・判断出来る人はいない。
その瞬間、次の発想と行動に写るタイミングももの凄く早い。
そのうえ、柔らか腰でユーモアに溢れている。
才能に加え知識と柔らかな人間性、
そしてユーモアを交えて軽やかに物事を動かしていく
スピーディーな姿勢。
うーん敬服です。
ウェブ2.0って、永井さんのような方々によって
発展していってるんだろうなー。

◎岩野俊郎さん
5/30北九州デジタルクリエーターコンテストの相談に
のっていただくため、コンテストの審査員長をお願いしている
画家の牧野伊三夫さんと一緒にうかがう。
知るぞ人ぞ知る到津の森公園園長さんだ。
岩野さんは、ひと言で言うと『信念の塊』のような人だ。
心と心、信念と信念で話し合えるとても有益な時間だった。 Yufudake

***以降、第11回ゆふいん文化記録映画祭にて***

◎井上修さん

Inoue

5/31『出草之歌ー台湾原住民の吶喊 背山一戦』の監督。
(ご本人は1人で撮って編集した映画なので
 「監督なんてもんじゃない」と言っていましたが…)
毎回、ゆふいん文化記録映画祭で「眼からウロコ」体験をしますが
作品と井上さんの話は「ハンマーで頭を殴られたような衝撃」でした。
未だにその衝撃が脳で響いていまして、
私の小さな脳ミソはその余韻をもとに思考を巡らしています。
懇親会でたぶん30分以上、井上さんを独り占めにして
議論出来たのも良かった。楽しかった。
井上さんの論法全てが正しいとは言わない。
しかし、井上さんの論法は私がずっと「メディアとは何?」と
考え続けていた事の答えに最も近い場所だと思う。

『五感を鍛えよ!己の種の根源を見つめなおせよ!』だな。

◎まつかわゆまさん
シネマアナリスト。故松川八洲雄監督の娘さん。
あゆ太郎は松川監督の作品を自主上映会したいと思っていまして、
映画祭実行委員の方に「ゆまさんに直接話したほうが良い」と
アドバイスをされて、依頼も含めてお話しました。
以前から「エネルギーが噴き出している方だな」と感じていましたが、
そんじょそこらの誰も寄せ付けない
一方的エネルギー噴き出しの人と全く違う。
彼女との会話は決して一方通行にならない。(当たり前か)
知識が豊かなだけに、引き出しから様々なモノが出てくる。
私はその引き出しの多さに眼を丸くしながら
まだ、どれだけ引き出しがあるんだろう?と。

それから、
翌日の松川監督の映画『鳥獣戯画』を観て、なるほどと思った。
ゆまさんは確実に松川監督から受け継いだものがある。
「人やモノへの向き合い方」の姿勢。
私と話す時も全身で話を聞き、全身で応えてくれる。
松川監督の作品も、1つ1つの物事に全身全霊向き合う姿勢が
映画を観るものの心を打つ。
日常の中で流されるように生きていると
こうした出来事が自分の行動を省みるきっかけになったりする。

◎中谷健太郎さん&筑紫哲也さん
6/1 2人共雲のうえの存在の方なので当然お話した事などない。
しかし、お二人の思考法を含む考え方・振る舞いは尊敬すべき。
今回の映画祭から、故・松川八洲雄監督の名を冠した
松川賞のコンペティション部門が出来た。
この審査員10人のうちの2人が中谷さんと筑紫さんである。
このコンペの授賞式で審査経過と作品に対する考え方をお聞きして
特にお二人のコメントに「う~ん、参りました」と。
Jyushosiki_2筑紫さんの『茨の同盟』に対するコメント、
中谷さんの『中村三郎上等兵』に対するコメントは
そういう視点で物事を見て・行動されて来られたのだなーと。
筑紫さんの『茨~』に登場する人々への暖かな視線、
中谷さんの「良い事はいい事だ」と思考せず突き進む
社会への危惧に、非常に共鳴しましたね。

筑紫さんの事を「老害だ」と揶揄する方もいますが、
一貫して「一般の生活者の視点で考える」事は全くブレてない。
暖かな人柄で、人と人との繋がりを大切にする。
そういう方だとシミジミ感じました。
もっと筑紫さんの過去の仕事等を俯瞰して、
総体で話を始めないと。
揶揄する側の小ささが露見するだけだと思う。

ここ数年、
近視眼かつ自分の立場から見た物事の判断、
あるいは判断すらも依存している人が増殖している。
(そうした事を煽って、儲けようとするシステムはやめて欲しい。
 「アンチエイジング」なんて、その最たるものだ)

そんな状況に押し流されない、スックリとした方々に出会えて、
私の頭は先週末の出来事を心地よく反芻中です。

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2007年5月 3日 (木)

『BABEL』

Babel  正直、イニャリトゥ監督にしては、薄い・もったいないと感じた。

 どう考えたって監督の前作『アモーレス・ペロス』の方がずっと良く出来ているし、映画『バベル』で綴っている物語はどこかしら手法も含めミヒャエル・ハネケ監督の『コールド・アンノウン』の焼き直しに見える。(監督としての手腕はハネケの方が上)

 簡単なあらすじを言うなら、ブラピ一家におこった災難物語、なのである。(念を押して言いっちゃいますが、ブラピ以外、家族全員が命の存亡に関わる災難なのだ…)
なのに、この物語の背骨になる筈のブラピ一家の描き方があまりにも足りな過ぎる。
そもそもブラピが出演する意味がない。
彼の魅力も新しさも一切出てこないし、なぜかブサイクだし…。

 だから、他の地域での物語の方が人物像が描けている分、
本来主役であろう筈のブラピ夫婦の役を完全に食っている。
監督的には、それが狙いかもしれないが一番下の「?」に
書き記しているとおり、ブラピ夫婦の描き方がこの映画の
緻密さを一気に崩してしまうのだ。

 映画のなかで
言いたいことも伝えたいことも見える。
しかし、何となく薄い。
さして思いを巡らすことなく、どういう意図で組み立てた
映像なのか?はすぐ理解できるし、
何よりも監督の前作2本を見ていれば
予言の如く次の展開、いや次のシーンの画面まで
読めてしまう。う~ん、これはどういう事だ。

 ベビーシッターの甥が暴走することも、
菊池凛子がどんなに魅力的でも最後まで
男たちの性的対象にならないことも、
モロッコで悪戯に猟銃を撃ってしまった弟は特に
一挙手一投足全てが完全に先読みできてしまう。

 兄が打たれた後に警察に発砲するシーンは、
あまりにも予測していたとおりで、不謹慎だけど
笑いが出てしまった。
が、彼は煩悩丸出しの教育も受けていない幼児なのだ。
兄が撃たれたまででは、そんな急には変わらない。
防衛も含め、とっさに撃っているのだから
冷静に判断できるか?と。
いっそ、父と兄が警察に撃ち殺され、
寄る辺なく呆然とした彼のみが生き残る、
が正しい導き方だと思う。

 ラストシーンも逆だと思う。
役所公司と菊池凛子がようやく心を通わせる、
そして次に、1つ前の刑事のシーンだ。
親子2人の事に思いをはせながら
やるせない思いを抱き一人飲んでいる酒場で、
たまたま見た数秒のTVニュースがブラピ夫婦の話。が、
言いたかった事がきちんと伝わったと思う。

 しかし…、その言いたかったことは
映画の予告編で語られている
「モロッコで端を発した事件が世界の様々な人生に繋がってる」だ。
正直、それを描いたところで、「今さら」という思いが募る。
我々が既にグローバリズムの渦中にいるのは周知の事実。
衣料品のほとんどが中国で生産されているし、
家電量販店で売られている安い機器は韓国やインドネシア
などアジアの諸外国製だ。
吉野家の牛丼の肉はアメリカ産。
ほっかほっか亭ののり弁に入っているフライは
日本で白スズキと呼ばれているが現地ではナイルパーチ。
そう『ダーウィンの悪夢』http://www.darwin-movie.jp/
の主題になっている魚である。
そうした事実の上に生活が成り立っていることぐらい
知っているのだ。

 それに…、本作のタイトル『バベル』は
天まで届く塔を建てようとした人間の”傲慢”に神が怒り罰と
して、互いに言葉を通じなくしたという塔伝説。
一緒に見たダンナが「バベルの塔伝説というモチーフに
いつ行き着くか?楽しみにしていたのに、全く届かなかった」
と鋭い事言ってた。
最もだ。そう、この映画の最大のネックはこのタイトルにアリ!

 期待していた上に酒を飲みながらゆえ、
さらに辛口になりそうなので簡単に
評価したい事と「?」をば。
【評価】
日本社会の描き方が実に上手い。
(しかし、5年前の日本の姿である。東京には菊池凛子扮する
 「誰かと繋がりたい」若者は減少の一途をたどっている。
 ネットカフェ難民等、どんどん個になろうと閉塞中なのだ
 事実は小説より奇なり。日本の将来を考えると恐ろしい…)
菊池凛子はヤッパり上手い。
(ティーンの漂流感が非常に良く出てた。
 監督は菊池凛子が好きなのか?
 非常に力が入ってますね。彼女のシーンは特に)
先進国に住んでいる人々の優位性がキチンと描かれている。
(モロッコ人の兄弟もメキシコ人のベビーシッターも
 その時、本人にとって「たいしたことはない」と思った
 判断が二度と取り返しのつかない事態に陥ってしまう。
 先進国に暮らす人間とのリスクの差は著しい)
坂本龍一の音楽、いいねぇ~。私の琴線に触れるのだ。
(話の脈略と全く関係なく泣けるところなんて、ね)

【?】
・ブラピのベビーシッター手配し損ねの怪。
 電話繋がるハズなのに。
・菊池凛子の母はなぜ自殺したの?しかも猟銃で。

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2007年4月20日 (金)

やっと、映画補給

 毎日忙しく、先週ついに禁断症状が出そうになってました。
(先週末までの『ラスト・キング・オブ・スコットランド』 を見損ねたのが心残り…)

Seveb  暴れて周囲に迷惑をかけてはいけない!(?)と先週のTUTAYA半額の日に「これ!」というビデオ借りまくり、 ミヒャエル・ハネケの『セブンスコンチネント』の衝撃を浴びて息を吹き返す。しかし…、息を吹き返したものの、見終えた後はしばし、絶句…。
(ホント、ハネケは恐ろしい映画監督です。しかし、嫌い嫌いも好きのうち、凄く好きなんです。映画欠乏状態時のカンフル剤になりますね…)

 実は、このレンタル時に初めて(まともな方の)『日本沈没』を見る。
近年の日本映画にない風刺の利いた痛切なSF。「日本人が流浪の民になったら?」がテーマの原作も、高度成長期に湧く当時を反映してアレンジされた映画はエンタテイメントとしてもきちんと成立している。(映像技術が発達したというのに、どうして?あの当時のクオリティの映画づくりが現在作れないのか?と、いつも思う)それに、この映画は日本に地震が多い理由を実に的確にわかりやすく解説する。プラスαで、嶋田正吾の姪はこっそり最後まで妾と思わせるところといい、いしだあゆみの黒ビキニ姿が妙に色っぽくて、上手いよなぁ本当に。

 今週はBSが愛しき雷サマの『眠狂四郎』三昧してくれて狂喜乱舞。
鼻詰まり声と目張りの凄さ・訳のわかんない強引な物語でグイグイ引っ張っていきつつ、大映特有の美しい映像美で女性が本当に艶っぽいんだよねぇ。
「またひとつ、鍛え抜かれた技が消える…」(訳わかんねぇ~!)常套の面白さは水戸黄門じゃなく、眠シリーズさ!

 さて、今日はズッポリ一日休んで福岡へ高飛び。

Miike  『三池~終わらない炭鉱(やま)の物語』は
懐かしい生まれ故郷が舞台だけに冒頭から涙・涙…。
三池の歴史を知ることは、日本の歴史を知ること、とはよく言ったものだ。 囚人による採掘、強制連行による採掘の歴史があろうとは…。前半はかなりショックでした。

 大牟田市の職員の覚悟と長い年月の執念、労力によって出来上がった作品。

 この映画が出来たことで、
過去を正面から見つめ、成仏できることが出来る当時の人間が何人いることか!
私の知る限り、三池争議、その後の落盤事故でどれだけの人間が傷つき心を閉ざしてきたかわからない。
かく言う私の父も、その一人。三池争議以降、親しかった友人と仲たがいのまま年月を過ごしている。(映画に出てくる九大の教授と奥田八二前福岡県知事を未だ心の底から憎んでいる)だからこそ、父にもいろんな意味で絶対見せたい一作。

 この映画の功績は大牟田市の数人の職員の「熱意」に尽きる。
私財すら投じて出来た作品だというのに、だけど、彼らはあくまでも、本当に控えめだ。(大牟田市の職員の爪の垢を北九州市の職員も味わって欲しい。税金ザブザブ使って「俺の手柄」は、ないでしょ~!)
 だからこそ、この映画の嫌な点を1つ言うとすれば、作り手側の監督と監督の主張がやや出すぎているのでは?大牟田市職員と同レベルで作り手も控えめでいて欲しかった。(自身の最高傑作との自負の表れなんでしょ~か?ドキュメンタリーにおいて、その評価の大きな要因は映像の対象物である。確かに第三者的な視点がそこに入ることによって生まれた映画ではあるが…。狙って出演したとしたら、作り手として恥ずかしい限り。主人公はあくまで炭鉱労働者ナリ)

Allthe  『オール・ザ・キングスメン』
う~ん、何を狙いたかったのか?よくわからなかった。
もっと政治と地域、人とのつながりを主題に描いて欲しかった。
豪華キャストと回想を多様に使いすぎて、上手くこなせなかったと感じる。

Sunshine  『サンシャイン2057』
ホラー映画は嫌いだけど、『エイリアン』は好きな1本。 ダニー・ボイルの長編デビュー作でホラー&サスペンスものの『シャロウ・グレイヴ』も見た時にノックアウトさた思い出がある。監督の前作 『ミリオンズ』もまぁまぁ面白かったし!「ホラーSFなんだろうなぁ」と思いつつ見たけど、これじゃぁ『2001年宇宙の旅』と『惑星ソラリス』を中途半端にミックスしたC級映画。新しさのかけらもない。(イカロス1号の船長にいったい何がおきたんでしょ~??)
ミシェル・ヨー、ギリアン・マーフィー、真田広之好きな俳優が出てるんだから、ちょっと悲しい。

Blackbook  『ブラック・ブック』
『氷の微笑』のポール・バーホーヴェンはオランダ人だったのね…。
オランダ人として、ナチが進駐していた時代を総括したかったらしい…けど、監督にはハリウッドで育まれたものが大き過ぎたと思う。
歴史に翻弄される1人の女性の大河ドラマ的な物語が、結果、彼女たちを裏切った犯人探しのミステリーものに摩り替わる。(だいいちサスペンスシーンになると音楽が完全にハリウッド的な陳腐さ)
っつ~か、女優の使い方がラース・フォン・トリアー以上に”S”。

 主演女優はヌードのみならず、歌唱シーン、監獄シーン、ヘア脱色シーン、注射シーン(腕に注射針を刺す映像をムダに入れるあたり???)、汚物まみれシーンを演じさせられる。
紛争から逃れられない主人公の設定そのものが悲惨なのに、こうしたシーンをつなぎ合わせるあたりが、何となく真摯に感じられない。(私の見方が歪んでいるのかも…?)

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2007年1月31日 (水)

『どろろ』

Dororo  あぁ、ラフォーレ原宿小倉が通常営業のまま
ヴィレッジヴァンガードがそのままなら速攻
原作買いに行くよなぁ~『どろろ』。

 どう考えたって原作が抜群に面白い!
それにキャスティング、妻夫木くん&柴崎コウ
こりゃ現在の日本映画界でサイコーのキャスティングですよ。

 なのに…なのに…
父親が妖怪に魂を売ったおかげで生まれたときから
身体の48部位を妖怪に取られた百鬼丸が
自分の身体を取り戻すべく妖怪と戦う、
この戦いのシーンはまるっきり
ゴレンジャーか仮面ライダーのよう…あははは。
一瞬、東映マンガ祭りと上映館間違ったの?と
思う妖怪対決3連発でしたねーあはははは。

 それに、国境の風景、
どっかで見たことある風景だなぁ~、ん?
そうです『ロード・オブ・ザ・リング』の風景。
2年前、ダンナとニュージーランド旅行した際
見た風景とソックリ!と思ったら、案の定でした。
何かねぇ、経費節減なのか?
やたら同じ場所の同じアングルのシーンが出てくる
訳ですよ。特にこの国境あたりのシーンは。

 だいたい見せ方がわかってない。
まるっきりテレビなんですよ、見せ方が。
塩田監督、『月光の囁き』がピークでしたね。
(あの、ヘンタイ映画は大好きでしたです)

 あー、韓国のポン・ジュノ監督にこの映画を
撮ってもらいたかった!
原作とキャストが良いのに、あとは監督の手腕だけだろー!
少なくともこれより10倍は楽しめたハズ。
何であんなに意味なく長い作品にしたかも不明だし。

 妖怪を倒す毎に人間としての身体を取り戻し、
人生の刹那と向き合う事になる百鬼丸。
何かねぇ、その刹那加減が妻夫木くんとピッタリだし、
どろろ役の柴崎コウもすんごく良いだけに
もう少しどうにかする余地あっただろう、と
もったいなさをヒシヒシと感じる一作。

 あと、もう1つ難点を言うならば
海外での配給が多く決まりつつあるのなら
歴史的背景もシッカリ追加編集すべき。

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2007年1月29日 (月)

『ラッキーナンバー7(slevin)』

 いや~、この映画、本編始まる前までが長かった。
それで気になったのねタイトルの『Lucky number slevin』…。
ん?「slevin」?いくら英語がわからん私でも
日本でのタイトルが『ラッキーナンバー7』だけに、
綴りの誤りには気が付く。
それで全体のストーリーの推理がだいたい半分解けるよなぁ。

Slevin  日本でのタイトル『ラッキー7』ってのは的外れ。
原題の『slevin』は、ちょっの伏線なので、
そもそもタイトルと本編の内容はイメージの一致がない。

 なんか、もったいない。
これだけのキャストを集めてて、
勘の良い観客ならジョシュ・ハートネットは
最初からタダ者じゃないとわかるじゃん。
フツー地域の大派閥ギャングから呼ばれりゃ、
超ビビるに決まってる。なのに…、
タオルとスリッパ一枚でギャングのボスと会わんでしょ堂々と。

 テンポは良いのだけど、
演出や処理の仕方が悪く、もったいない。
悪役にモーガン・フリーマン、サー・ベン・キングスレー
という、キャスティングを配してるのだから
もっと悪役を極めて欲しかった。
しかも、大俳優があんなビニール袋まで被らされるっつーのに。

 ブルース・ウィリスの殺し屋役も『レオン』に似せた
かったんだろうなぁ~。だとすると説明不足。
全体的に消化不良なイメージです。

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2007年1月25日 (木)

『幸せのちから』

 ワーナーマイカルシネマズ戸畑で試写会。
(Aマネージャーいつも葉書ありがとうっ!)

Pursuit  ウィル・スミスが貧乏のどん底から
這い上がり人生を歩んだ実在の男を好演してる。
約2時間のほぼ全編がカワイソウで仕方ない。
だって、這い上がり人生のどん底時代を描いた内容だから。

…1980年代の話。
28歳まで父親の顔を知らず育ったクリス・ガードナーは
コネもなければ、学歴もない。
そこそこ頭も良く、人当たりの良い彼は医療機器の
セールスを始めるも、全く売れない。
折しも、当時はレーガン大統領も景気停滞を認める頃。

 クリスは起死回生を狙って、
学歴を問わない証券会社の研修生採用の願書を提出するが
研修期間の6ヶ月間は無給…。
しかも、20人の研修生のうちたった1人が採用される
イチかバチかの賭けのようなところへ飛び込む。
遂には、妻に逃げられ、家も立ち退きにあい、
子連れホームレスとなってしまう。

 その他にも、税金の滞納で口座凍結、
セールスのため買い取った医療機器の盗難、
交通事故などなど不幸の連続。

 それでも、彼は、諦めない。
息子を手放すことも。ひたすらマジメに生きることも。
決して酒に溺れたりしないってのが、凄い。

 それに、教会のある街は違うな、と思う。
ホームレスになっても助けられる範囲の人々に
ベッドと食べ物を分け与えること。
主人公がゴスペルを聞いて息子を抱きしめウルウルと
泣くシーンは思わずもらい泣き。いや、号泣。
あぁいう直面に陥った人がゴスペルの力で一時的に
希望を抱く事は多々あるだろうな。

 ウィル・スミスの実の息子も好演。
些細なしぐさも親子じゃないと醸し出せない
”絆”が見えて、よけいウルウルする。
(息子は母さん似。ちなみに母さんは、
 『マトリックス』シリーズのパート2,3で
 出演した女性パイロット!)
ウィルには、主演男優賞を取ってもらいたいな。マジで。

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2007年1月24日 (水)

ドキュメンタリー二連発

  Darwains234x60

 

土曜出勤が続くため、
振替休日して久々、博多で映画鑑賞。

 控えめに、2本鑑賞…と考えてたけど
(通常博多行きの際は3本から5本鑑賞)
ズッシリ重い2本でした。
最近は『…ボクはやってない』とか、
あゆ太郎好みの作品立て続け。

 『不都合な真実』
前回の大統領選で現アメリカ大統領ブッシュに
敗北(不当な敗北では…?)した
アル・ゴア元副大統領(クリントンの、ね)が
地球温暖化の危機についてスライドを交え語るもの。

 彼は、大学時代、環境についての研究を重ね
ある恩師との出会いもあり、
地球温暖化を阻止すべく議員になった、と、
この作品で語る。

 若き日のゴアは、議会のなかで
「地球温暖化のデータを突きつけ、
 温暖化阻止の政策や法案を立てたかった」そうだ。
しかし、資本主義・利益優先が浸透したアメリカで
ケンモホロロだったらしい。

 息子の交通事故など様々なピンチを乗り越え、
それでもなお地球温暖化を世界規模で食い止めようと
世界をまたに駆けスライド講演活動するゴア。
議員を続けるより、ずっと崇高じゃないスか!ゴアさん!
アホなブッシュより、百倍も社会や人々の心を動かしてる。

 今日のブッシュの一般教書演説の中にも
地球温暖化を阻止する内容が盛り込まれていたらしい。
京都議定書を拒否したアメリカが、批准する日は近いかも。
【ロイター通信より、今日の一般教書演説についての記事。
 気候変動は「深刻な課題」であるとし、
 ガソリンの国内消費を向こう10年間で20%削減し、
 代替燃料の利用を増やす方針を明らかにした】
やったね!ゴアさんっ!

 に、しても、ゴアの雄弁さにひたすら感心。
それにブッシュの比較マンガには笑ったなぁ~。

 『ダーウィンの悪夢』
これまた驚愕の、悪夢のグローバリゼーションを
突きつけられたショッキングな一作。

 昨年、『隠された記憶』という
ヨーロッパの富裕層の鈍感さ、無神経さの裏側で、
苦しみ続けている貧困層を対比させた、
あくまでも富裕層に視点を置いた作品が公開された。
この作品のラストは、かすかな希望を画面の
一区画で見ることができる。
やっぱり富裕層が描いているからこそ、
楽天的なラストなのかも知れない。

 『ダーウィン~』は悪夢過ぎて救いようがない。
先進国のルールと無神経さが持ち込まれ、
悪夢の連鎖の果てに、先進国が生き延びる為に
アフリカが荒らされ、食い尽くされていく…。
とても心地よい作品じゃない。だからこそ見なきゃ。
白スズキ、絶対これだけは食べちゃ、いけない。

Futugo Darwin

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2007年1月23日 (火)

こんな国に住んでいられない… 『それでもボクはやってない』

Soredemo  ショック…
映画『それでもボクはやってない』。
あまりのショックで、言葉を失って帰宅。
痴漢の冤罪を着せられ、あれよあれよという間に
何ヶ月も勾留され、ついに懲役の判決を受ける主人公…。

 この国の司法は狂ってる。それになぜ?
この状況や体制がそのまま野放しになっていたのか?
マスコミは?他の行政機関は?弁護士は?
何をやっていたのか?
裁判にあがった事件の99.9%は有罪。
人質司法という名称…驚愕すぎて言葉が出ない。

 司法の公平性を信じ、無実のまま汚名を着せられ
泣き寝入りしている人間は、きっとごまんと居るだろう。
(一方で痴漢行為の刑を認め、示談に持ち込んで
 街中をウロついている連中もごまんと居るのだ…)
あまりに悲しいストーリーを突きつけられ絶句。

 もちろん、
映画をそのまま鵜呑みにするようなことはしない。
しかし、どうひっくり返っても日本は、
官主導の社会主義国というのがいまの現実。
映画の内容の信憑性は高い、と感じる。

 子どもの頃は、
親をはじめとした大人は敬うもの、
学校の先生は尊敬するもの、
警察は私たちを守ってくれるもの
役所は私たちの暮らしを支えてくれるもの
多くの社会を形成する人たちに
厚い信頼を寄せながら暮らせる、と、
ボンヤリと子どもながらにそう認識していた。
いま、そうした認識が完全に崩れ落ちた日本で
私たちはこれから安心して暮らしていけるのだろうか?

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2007年1月 7日 (日)

アニメな日々~『攻殻機動隊 S.A.C. Solid State Society』&『パプリカ』

Img_0103  職場の男性軍で『攻殻機動隊』のS.A.C.シリーズがブーム中。
私以外の女性軍から「オタク」だ「アキバ」だと罵られつつ、
課長を中心に男性軍と私も混じって『攻殻機動隊』のDVDを見回し中。

 今日は一番新しい作品
『攻殻機動隊 S.A.C. Solid State Society』を見たけど
チョっとこなれてない気がするし、
マニアにはお馴染みのキャラクターの登場が
ワクワクするけど、初心者が見てこの世界観わかるのかな?
と、思った。(いちげんさんお断りの世界か?)

 数日前見た『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』は
面白かったですよ~。約3時間の大作。
押井守がスタッフで入っているだけに重厚でした。

 攻殻機動隊は、
ネット社会をベースにした現代を背景に
難民、医療での薬害、幼児虐待、日米の軍事関係、
老人問題(貴腐老人って造語にゃ~驚いた)、
ナショナリズムなど、身近な問題から国際問題まで
現代社会が抱える課題・問題を映し出す。

 映画『攻殻機動隊 GOST IN THE SHELL』を
リスペクトして『マトリックス』シリーズが世に出たけど、
この作品はネット社会とマシン対人間の攻防、という
SFの枠に留まっている。
そういう事考えると『攻殻機動隊』シリーズは凄い。

 ここ数年の超つまんない実写版日本映画より
ずっと勉強も考察もされてるし、時には哲学的でさえある。

 今夕、博多で見たアニメ映画『パプリカ』は
筒井康隆の小説が原作。
夢の世界を争奪したり夢の中で社会を構築したり、
夢と現実の境界線がなくなっていく…等
イメージはネット社会と非常に近いものがあって、
一歩進んだ予言チックな世界観は
さすが!筒井康隆だし、日本からしか生まれない
コンテンツだよなぁ~。

 現在、梅田望夫VS平野啓一郎対談の
『ウェブ人間論』を読んでいるので眠い半分
ネットの中を漂う気分のあゆ太郎でありました。Paplika Img_0101_1

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2006年12月31日 (日)

今年観た映画・後編

Ohnootoko  今年観た映画後編10月以降。
118『酒井家の幸福』※釜山国際映画祭
119『The Boss of it All』※釜山国際映画祭
 (デンマーク映画で右にハングル字幕、下に英語字幕
  あるも全く分からず。韓国のみなさんは常に大爆笑。
  コメディ映画だったようだ)
120『マッチポイント』
121『親密すぎるうちあけ話』
122『イルマーレ』
123『カポーティ』
124『父親たちの星条旗』
125『トンマッコルへようこそ』
126『ブラックダリア』
127『プラダを着た悪魔』
128『パビリオン山椒魚』
129『トゥモローワールド』
130『ファンタスティック4』※DVD
131『秘密のかけら』※DVD
132『トランスアメリカ』
133『サンキュースモーキング』
134『麦の穂をゆらす風』
135『武士の一分』
136『めぐみ―引き裂かれた家族の30年』
137『ありがとう』
138『暗いところで待ち合わせ』
139『魂萌え!』
140『デス・ノート2』←超ど~でもいい映画なので正式タイトル忘れる…
141『硫黄島からの手紙』
142『パフューム ある人殺しの物語』
143『マリー・アントワネット』
144『ディア・ピョンヤン』
145『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?』
146『キングス&クイーン』※DVD
147『ジャケット』※DVD
148『敬愛なるベートーベン』

 さて、今年、149本目の見納め鑑賞なるか!
乞うご期待!

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2006年12月29日 (金)

今年観た映画・前編

 ちなみに、95%ぐらいの確立で全て映画館鑑賞!

1『ラヴェンダーの咲く庭で』
2『歓びを歌にのせて』ツボにハマり、映画館で3回見る…
3『THE 有頂天ホテル』
4『スタンド・アップ』
5『プルーフ・オブ・マイライフ』
6『キング・コング』
7『天空の草原のナンサ』
8『綴り字のシーズン』
9『ホテル・ルワンダ』
10『ゲルマニウムの夜』
11『その男、凶暴につき』何と初鑑賞
12『オリバー・ツイスト』
13『白バラの祈り ゾフィー・ショル』
14『単騎、千里を走る』
15『世界』
16『ミュンヘン』
17『ウォーク・ザ・ライン』
18『フライトプラン』
19『PROMISE』
20『僕のニューヨークライフ』
21『クラッシュ』
22『エリ・エリ・レマサバクタニ』
23『イノセントボイス』
24『かもめ食堂』
25『シリアナ』
26『ダイヤモンドinパラダイス』
27『ある子供』
28『ステップ!ステップ!ステップ!』
29『SHIRO』※劇シネ
30『明日の記憶』
31『スピリット』
32『ナルニア国物語』
33『ベルリンフィルと子供たち』
34『力道山』
35『ブロークバックマウンテン』
36『ひすとりー・オブ・バイオレンス』
37『ナイトウォッチ』
38『立喰師列伝』
39『ラスト・デイズ』
40『プロデューサーズ』
41『海猿』
42『送還日記』
43『グットナイト&グットラック』
44『ガメラ 小さき勇者たち』
45『レント』
46『ナイロビの蜂』
47『ブロークンフラワーズ』
48『花よりもなほ』
49『あるマラソンランナーの記録』
50『真性粘菌の生活史』
51『菌と植物の共生 VA菌根菌を探る』
52『こどもの時間』
53『もっこす元気な愛』
54『初恋』←5月末日現在
55『嫌われ松子の一生』
56『美しき運命の傷跡』
57『ダビンチ・コード』
58『インサイドマン』
59『Mi:3』
60『デス・ノート』
61『フラガール』
62『メルキアデスと三度の埋葬』
63『ガラスの使徒』
64『好きだ。』
65『隠された記憶』
66『黒森歌舞伎』
67『豚足の夜』
68『隼』
69『hanafusa』
70『Catchball With ニコル』
71『まばたき』
72『グラウンド・ゼロ』
73『ダイバーのリズム』
74『ゲド戦記』
75『パイレーツ・オブ・カリビアン』
76『愛についてのキンゼイレポート』DVD鑑賞
77『ある朝スウプは』
78『ココシリ』
79『プルートで朝食を』
80『ただ君を愛してる』
81『5月2日、茶をつくる』
82『バード・ウォッチング』
83『さよなら さようなら』
84『はっこう』
85『蟻の兵隊』
86『年をとったワニ』
87『王と鳥』
88『夜よこんにちは』
89『最後の狩人』
90『ゆれる』
91『花婿の寝言』
92『簪』
93『女』
94『涙』
95『悲しき天使』
96『あなた買います』
97『女は二度 生まれる』
98『日本の悪霊』
99『最高殊勲夫人』
100『ビザさえあれば』←8月末まで
101『出口のない海』
102『グエムル 漢江の怪物』
103『Xメン3』
104『GIE』
105『ユナイテッド93』
106『UZAK/冬の街』
107『「水蒸気急行」「ライブイン茅ヶ崎」
108『鼻唄泥棒』
109『盲の夢』
110『MIDNIGHT PIGSKIN WOLF』
111『.doc』
112『光』
113『ニューヘアー』
114『ダム・ガール』
115『single』
116『胸騒ぎを鎮めろ』
117『IMMEASURABLE MYSTIC BOOK』

…あぁ、眠くなった小休止…続きは後日…

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2006年4月 5日 (水)

ナイト・ウォッチ【NOCHNOI DOZOR】

Nightwatch 2004年/ロシア/115分/監督:ティムール・ベクマンベトフ/原作:セルゲイ・ルキヤネンコ/出演:コンスタンチン・ハベンスキー、ウラジーミル・メニショフ、ワレーリー・ゾロツキン、マリナ・ポロシナ、ガリーナ・チューニナ

「私なんか、呪われてしまえ!」で、闇と光の勢力の大対戦勃発が一気に解消。え、え~?そ、そんな理由で…??と、キョトンとしているうちに、「スターウォーズ エピソード3」??な結末に急展開。しかも、いきなり、つづくときたゼ。ロシア版「マトリックス」はCGのオンパレードでゴザイマス。

冒頭は、『ロード・オブ・ザ・リング』orリドリー・スコット作品を彷彿させる。中盤は『マトリックス』を思い起こさせるし、結末は『スター・ウォーズ』か?こりゃ?ストーリーはアメコミっぽいし、血みどろの戦いのシーンは、やっぱタランティーノだよね…。と、ここしばらく世界で流行った映画の影響を強く感じる。CGの技術は凄いけど、使いどころがチト変?な部分も多々あって、そこがロシアらしいと言えば、良いのかな?(やたらCG使う割に、本編のストーリーの発端になる伝説の女性の上に空気が渦巻いてるシーンは、妙にアナログな撮り方なんで笑ってしまった)

全体的に感じるのは、説明不足。第一、主人公が闇と光の王に一目おかれている理由が全くわからない。(予知能力者という事は劇中で語られるが、予知能力を発揮するどころか、戦闘能力のほうが勝ってる)だから、ナイトウォッチ(闇の番人)は他にもいるのに、「何で、この人が主人公なの?」と思い続けたまま終わっちゃう。(不思議なことに、光の異種の男性群はムサ男揃いなのに、闇の異種はイケメン揃い…)それに、私は1部完結ものと思っていたので、急にテレビの「翌週に続く…」的な終わり方をされてしまって、ひっくり返ってしまった。

ひっくり返ったのは1度だけじゃない。光と闇の異種同士(特殊能力を持つミュータント)の戦い、つまり、人間も巻き込んだ大戦のきっかけを作る可能性がある女性の呪いを解こうと闇と光の王が協力して、主人公に解決を依頼する。刻一刻とせまる大戦勃発。(しかし、よく考えると闇と光の大王が、主人公に解決の依頼をするという事は、彼ら2人が停戦を宣言すれば、それまでなのでは??)あと、数秒で勃発!って時に、女性は呪いの理由を吐露する。それは、誰もがふと考えてもおかしくない話。(病気の母親のせいで、結婚できない…なんて…天下の一大事の原因が、それか?トホホ…)しかも、理由が解明した途端に、それまで危機に瀕していた街の事態が急に解決する。 見ている側は「え、え~!そんな理由だったの」と、呆気にとられている間にあれよあれよと事態が好転し、ただただ、唖然…。で、こっちの脳が機能回復しないうちに、闇の王と主人公の対決っ!その後、姑息な大どんでん返し??んで、「宿命の親子と世界の存亡はいかに…」の次週に続く的な結末ときた!(そうそう、エンドロールで、次週の予告も流れるゼ!何だかこのシーンも笑えてしまう)

妙な中途半端具合が面白いと言うか、大真面目に制作してるのにツボが違って、どこか笑えるとか、この映画を制作するにあたって影響を受けた作品があまりにも明け透けに分かるとか、制作側の手の内が見えるようで、愛すべき作品なのかも。【あゆ太郎のおススメ度=70点】

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2006年4月 1日 (土)

ブロークバック マウンテン【Brokeback Mountain】

Brokeback 2005/アメリカ/134分/監督:アン・リー/原作:アニー・プルー/出演:ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール、ミシェル・ウィリアムズ、アン・ハサウェイ、ランディ・クエイド

「エポックメイキング」(←『ブロークバック マウンテン』のチラシに書いてあります)だ、何だと言われていますが、そこまで言わなくても良いのでは?だって、要するに、人と人との純粋な”愛欲”の伝記映画なんですから。だからこそリアリティも感じるし、共鳴できる。but!女性が見ても抵抗ないのですが、同性愛という題材に一般の男性の方々はどう感じるのか?興味があります。

同性愛の”カウボーイ(=アメリカ的男らしさの象徴)”という内容とゴールデングローブ賞ほかおびただしい程の賞を受賞しているので、米国アカデミー賞の作品賞レースで最も話題になったわけですが、結果的に作品賞を取れないのは仕方ない。同性愛に戸惑いながら淡々と愛を貫くカウボーイの姿を丁寧に描いている作品だけに、”アメリカのお偉い”アカデミー会員の最大公約数の票が取れると思えないですから、やっぱり。

東京の知人によると、未だ『ブロークバック~』上映館は混雑中だとか。オーソドックスな作品なのに、見終わって5日経った後でも反芻できる余韻の残る作品であることは確かです。女性である私が、男同士のHシーンにこれほどドキドキした事も初めてだし…。主人公2人の再会のディープキスのシーンには、2人の気持ちの高ぶりと抑えきれない衝動に泣けたし、その2人の”衝動”場面を見てしまい、愕然とする妻の気持ちにも泣けたし…。ヒース・レジャーがとにかくいい!最後のシーンは愛おしくなりましたよ。”カウボーイ(男らしさ)”の面目以前に、一人の人間としての愛を貫く強さと繊細さがヒシヒシと伝わってくる。役者はマジ頑張ってますよねぇ~、やっぱ、よく出来てます。鑑賞のお客の少ない時に、も一回、ジックリ見に行こう!

あ、もう一つ浮かんだ事柄→台湾出身のアン・リー監督だからこそ、固定観念などなく正面から扱えた題材であるけど、アメリカで映画を学んでその技術を培った監督だけに、映画そのものの作り方はとてもオーソドックスなメイド・イン・アメリカ作品です。【あゆ太郎のおススメ度=85点】

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ヒストリー・オブ・バイオレンス【A History of Violence】

Violence 2005/アメリカ・カナダ/96分/監督:デイヴィッド・クローネンバーグ/脚本:ジョシュ・オルソン/原作グラフィックノベル:ジョン・ワグナー、ヴィンス・ロック/出演:ヴィゴ・モーテンセン、マリア・ベロ、エド・ハリス、ウィリアム・ハート、アシュトン・ホームズ、ハイディ・ヘイズ

『ロード・オブ・ザ・リング』公開後からヴィゴ・モーテンセンのプチファンになった私。今回はヴィゴ様のバイオレンス(M)ぶりに、ひたすら酔った96分でした。しっかし、正当防衛であれば、あれだけ人殺ししても良い?の?(殺された人たちは極悪人という設定だし…)アメリカって凄い国だ。(と、勘違いされても仕方ない)

お父ちゃん(ヴィコ・モーテンセン)が本性を現しはじめてからの息子の覚醒ぶりときたら、まるで『ゴッド・ファーザー』のアル・パチーノ。ヴィゴお父ちゃんは実はマフィアだったから同じマフィア的な覚醒なんでしょうか?

無敵なヴィゴ父ちゃんがマフィアの兄とその取り巻きを一掃(惨殺じゃん)して、過去をリセットしたつもりで夕飯時に家に帰ってくる。温厚で典型的な”良い労働者”と思っていた夫が実は人殺しのマフィアという本性を知ってフリーズ状態の妻とは裏腹に、お父さん用の皿をさしのべる幼い娘とおかずを差し出す息子。(子どもにとっては血を分けた父ですから…)しかし、その後、娘が大人になった時、兄ちゃんよりもっと暴力性を覚醒したりとか、潔癖症な弁護士の妻はノイローゼになるのでは?まぁ、そんな事より、ヴィゴ家族の晩餐の前提に悪人の死体ゴロゴロ…だなんて、「夕飯不味いでしょ?」みたいな気持ち悪さが残ります。

言いたい事はわかるのですが、今そこにある守りたい現実(家族・愛)と拭えない本性(持って生まれた暴力性)との対峙を描いた割には、消化不足で終わった気がします。クローネンバーグって、こんな単純な作風だったかなぁ?それと、チラシに「本年度アカデミー賞最有力」とか「カンヌ映画祭で大絶賛!」の常套句を書くの、やめてほしいなぁ。【あゆ太郎のおススメ度=70点】

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2006年3月31日 (金)

力道山【RIKIDOZAN】

Rikidozan 2005年/韓国・日本/ 159分/監督・脚本:ソン・ヘソン/出演:ソル・ギョング、中谷美紀、藤竜也、萩原聖人、鈴木砂羽、山本太郎、船木誠勝、秋山準、橋本真也、武藤敬司

やっぱりソル・ギョングは凄い!日本語を喋るだけじゃなく、体重を増やしてプロレスにも挑戦!それも、”にわか”プロレスじゃない!その気迫からか?一筋縄ではない後見人役の藤竜也もいい演技勝負してます。(あ、山本太郎のチョイ登場も存在感光ってます)もう1つ衝撃を受けたのは、戦前戦後の日本の風景。日本アカデミー賞12部門独占したCGだらけの『ALWAYS~』でさえ、「サザエさん」的な舞台型の日本の風景しか再現できなかったのに、韓国の人たちは凄い…。と、思ってクレジットを見たら美術担当は日本人でした。と、いう事は日本映画界の職場環境が悪いの?かな?

ところで…、映画を観終って帰宅すると、またまたダンナと映画『力道山』について議論になっちゃいました。ダンナ曰く、「韓流に飲みこまれてる」とか。毎年、映画館で200本以上映画を観ることを目標にしている私に、そりゃないよね。大好きな俳優が出演して「わーカッコイイ!」という観点とかで見ない限り、1つの作品として自然体で映画をみる事を心がけているのに…。そんな事言うんだったら、韓国に映画で勝負できる作品を日本側がじゃんじゃん作って「日流」を韓国でおこせばいいんだから…。

黒澤明監督ほかお歴々の映画監督を排出した日本映画から学んだのでは?と思える戦前戦後の混沌とした風景の作りこみ。体重を増やしただけでなく、体当たりの試合風景が本物のプロレスラーに見えるソル・ギョングの演技力。(空手チョップの重たさには目を見張りました)には、脱帽です。

朝鮮半島出身の力道山が人種差別などの苦悩を抱えながら転落や成功の日々をおくるのですが、「血と骨」の金俊平ですら、かなり壮絶な人生をおくるのですから、この映画で描いた力道山の姿は氷山の一角でしかない。もっとエグくて壮絶な人生だったのではないか?と、想像してしまうのです。【あゆ太郎のおススメ度=80点】

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2006年3月26日 (日)

ベルリン・フィルと子どもたち【Rhythm is it!】

Rhythm 2004年/ドイツ/105分/監督:トマス・グルベ+エンリケ・サンチェス・ランチ/音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー「春の祭典」/出演:250名のベルリン在住の子供たち、サー・サイモン・ラトル(指揮) 、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ロイストン・マルドゥーム(振付)、スザンナ・ブロウトン(共同振付)

子どもたちとベルリンフィルが一緒に一大イベントを行うというプロジェクトのコンセプトはいいんだけど、やや大人の押し付けが過ぎるのでは?映画を通して、大人の言い分があまりにも多いので、ゲップが出てきた。『ステップ!ステップ!ステップ!』のように、このプロジェクトに接する事で変わっていく子どもたちの”姿”をもっとたくさん撮って欲しかった。

『ベルリン・フィルと子どもたち』は、2003年1月28日、ベルリン郊外のトレプタウの、工業地域の川沿いのバス倉庫跡に出来たベルリン・アリーナに、25ヶ国にわたる250名の生徒たちを集めて、ストラヴィンスキーの《春の祭典》を踊るプロジェクトを撮ったドキュメンタリー。生徒たちは、ほぼ6週間にわたって、イギリス人の振付家ロイストン・マルドゥームと新主席指揮者に選ばれたサー・サイモン・ラトル率いるベルリン・フィルの下、入念なリハーサルを行い、本番に臨んだ。と、資料には書いてある。

この作品は、もともと映画としてでなく、TV番組として編集されたのでは?じっくりと見たいと思える子どもたちのダンスシーンが無残に切り取られているのに、インタビューの部分があまりにも多い。映像で訴える手法が希薄で、鑑賞する側が一番期待する音と踊りを魅せるシーンが少ないので、子どもたちがどれだけ上達したか?よく判断できない。子どもたちがプロジェクトにかかわることで内面的にどう変わったか?に、関しては、「それまで無関心だったクラッシックの世界に耳を傾けるようになった」ぐらいだろうか。(それはそれで興味の選択肢が増えて良い事だと思いますが…)

結局、映画的にクライマックスであるイベント本番シーンが圧巻な部分として入って欲しいのに、そこの部分が情報程度でしか抑えられていないので、プロジェクトにかかわった大人の理由や理屈は繰り返し延々と語られるのに、その言葉の成果も見えにくい。なので、よけい大人の自己満足に子どもが付き合わされているんじゃぁなかろうか?と、この映画を観る限り、そう判断せざるを得ない。

取材した子どもたちの追いかたも、何を基準にどういった子を追っているのか?が、わかりにくく、やや中途半端。イベント本番はきっと素晴らしかっただろうに、それが伝わってこない、何とももったいない作品。【あゆ太郎のおススメ度=65点】

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2006年3月25日 (土)

ナルニア国物語 第1章ライオンと魔女【The Chronicles of Narnia: The Lion, the Witch & the Wardrobe】

Narnia1 2005年/アメリカ/140分/監督:アンドリュー・アダムソン/原作:C・S・ルイス出演:ジョージー・ヘンリー/ウィリアム・モーズリー/スキャンダー・キーンズ/アナ・ポップルウェル/ティルダ・スウィントン

キャラクターに魅力を感じないうえに、えらく中途半端に作っちゃいましたね~。ディズニーが総力をあげて作ったわりに、『スター・ウォーズ』や『ロード・オブ・ザ・リング』、『ハリー・ポッター』といった続きものとしては、かなりお粗末な出来。こんなんじゃ、続編に期待持てないし、話題すら持ち上がるのやら?頑張れ!ジブリの『ゲド戦記』!

世界3大ファンタジー小説として知られるのが、『指輪物語』『ナルニア国物語』と『ゲド戦記』なんだそうだ。『ロード・オブ・ザ・リング』は、『悪魔の毒々モンスター』などで知られていた独自の世界観を持っていたピーター・ジャクソンが監督をした事が功を奏して、魅力的なキャスティングと壮大なファンタジー、そして、こっそり流れる普遍的なテーマで観る者を圧倒した。この映画に出演した事をきっかけに、オーランド・ブルームやヴィゴ・モーテンセンなどブレイクした俳優を輩出したりもした。他の続編ものだってそうだ。印象的で、魅力あるキャラクターが存在しないと鑑賞者は続編まで意識をつなげない。

なのに、『ナルニア国物語第1章』で魅力的と思えるキャラクターは、末娘のルーシーのみ。まぁ、ヒドいと言いたかったのは、何の布石もなく、長男(って、たぶん、中学生ぐらい)がいきなり大戦隊の大将になって、戦術を練り、大群を率いるのだ。しかも、敵の大物と体力的に互角に戦いあう。そのうえ、第1章で完結してしまったかのような作りがいただけない。(4兄弟姉妹の成人した姿を見せる必要はなかったのでは?あれで、ファンタジックさが急激に失われた)次男の人格を極端な設定にしたのも、原作がそうであっても、間違いなのでは?原作に忠実すぎて、平たいつくりになってしまったのでは?

と、いう訳で、巨額を投じた作品でもこうなっちゃうのだから、3つめの世界が誇るファンタジーを制作するジブリの『ゲド戦記』には、映画『ナルニア国~』を反面教師として頑張ってもらいたい、と、思う。【あゆ太郎のおススメ度=65点】

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2006年3月20日 (月)

明日の記憶【MEMORISE OF TOMORROW】

2006/日本/122分/監督:堤幸彦/原作:荻原浩/出演:渡辺謙、樋口可南子、吹石一恵、及川光博、香川照之、渡辺えり子、大滝秀治Ashita

50歳を目前にして、若年性アルツハイマーにかかった男性と妻の物語。『ケイゾク』の堤幸彦が監督している割に、今どきの日本映画のかなり勘違いな流行(難病もの&恋愛で泣かせにかかるとか、黄泉がえりやタイムとラベルのようなウルトラC)が飛び出て?!こず、とても好感が持てます。人間の格闘とは裏腹に、病はどんどん人を蝕んでいく。残酷なまでに病に冒されていく渡辺謙の演技はイイ!!

この映画の唯一の欠点は、何を隠そう樋口可南子だと思う。いや、樋口可南子が悪いという訳ではない。彼女は、かなり頑張っている。しかし、樋口可南子はあまりにもキレイ過ぎる。出来れば、『Shall we dance?』の原日出子のように、「気丈なのだけど、どこか脆い」人間的な弱さと、もっと親近感を感じる庶民性が欲しかった。夫が自宅療養をし始めるのと同時に、専業主婦から一転キャリアウーマン化して身なりも美しくなっていく樋口可南子には、少しついていけない。

に、しても、主人公が体験する、会社人間であったが故の、男としてのプライドや地位の喪失、家族や自分が分からなくなるという、死とはまた違った未知の恐怖。残酷なまでの病の進行。そして、専業主婦だった妻が夫の発病をきっかけに精神的にも、経済的にも家庭を支えなければいけなくなる…。こんな事は、どこの家族に降りかかってもおかしくない話。「ダンナがアルツハイマーになったら、私、どうするんだろう?」とか「私がアルツハイマーになったら、ダンナはどう対処するのかな?」とか、イロイロ考えさせられた。

及川ミッチーが神経内科の医師役で出演し、「人間は10代の後半をピークに、後は死に向かって老化していくだけなんです」(確か、こんな内容だった)というセリフは印象的。病に冒されながらも、人としての尊厳を守ろうと、病と正面から向き合う夫婦の格闘ぶりが胸を打ちます。【あゆ太郎のおススメ度=75点】

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2006年3月12日 (日)

ステップ!ステップ!ステップ!【Mad Hot Ballroom】

Step 2005年/アメリカ/106分/監督:マリリン・アグレロ/脚本:エイミー・スウェル出演/ヨマイラ・レイノソ、ロドニー・ロペス、ほか大勢の子どもたち

優勝校の子ども達の踊り(特にメレンゲとスゥイングは凄い!)と生き生きした美しい顔にウットリ。この社交ダンスカリキュラムが、子ども達にとって押し付けでなければ、とってもいいと思んだけど…。

ニューヨークの小学校60校に通う5年生の子ども達6,000人対象に無料で、10週間行われる社交ダンスのカリキュラムが1994年からはじまった。カリキュラムの着地点は社交ダンスコンテスト。たった10週間という短時間で子ども達は様々な種類のダンスを覚えなければいけない。カリキュラムのスタート時からコンテストの予選を経て決勝戦までをつづったドキュメンタリー。

何はともあれ、ニューヨークは人種のるつぼと痛感させられる。予選時にカメラが追う学校は3校だが、そのうち1校はドミニカ共和国出身(アメリカに来たばかりで英語が喋れない子もいる)が約9割。3校をトータルしても、”白人”は2割ぐらいで、どちらかと言えばアジア人の方が多い。例え子どもと言えども、親から受け継いだ生活習慣や宗教の影響があって、宗教上ダンスを踊れない子も存在する。

ドミニカ人が多く通う学校の先生の「ドミニカ人の威信をかけて、今回は優勝する!」発言あたりから、映画の後半近くまで、もともと「ヨーロッパで生まれたであろう社交ダンスを子ども達に教え、競わせる」つまり、白人が生んだ文化の強制?と、思えるこのカリキュラム自体に違和感を覚え、とにかく気持ちが悪い。

しかし、数人の子ども達は、ダンスを覚えた事で夢中になる目標を得て、犯罪に走る予防になったり、社交ダンス大会でチームワークを育んだりする。さらに、優勝戦で踊るドミニカ共和国の一部の子ども達は、社交ダンスというルールを完全に食ってしまって、自分の中で上手に消化させて踊る。その姿ときたら、美しいことこの上ない。

その子ども達と対照的に映る大人の姿が面白い。前段のドミニカ人教師や学校長は権威やら、子ども達に社交ダンスがもたらす好影響(犯罪に走らない等)を期待するばかり。一方、ダンスを教える先生方が実に楽しそうに弾けんばかりに踊るシーンは、彼らが「ダンスの楽しさを子ども達に伝えたい」という真っ直ぐなイメージが描ける。そう、この社交ダンスカリキュラムが子供たちにとって、押し付けでなく何かを見つけたり・感じたりする”きっかけ”になるのなら、凄く肯定できるのだけど、ね。【あゆ太郎のおススメ度=75点】

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2006年3月 5日 (日)

シリアナ【Syriana】

Syriana 2004/アメリカ/128分/監督・脚本:スティーブン・ギャガン/原作:ロバート・ベア/出演:ジョージ・クルーニー、マット・デイモン、ジェフリー・ライト、クリス・クーパー、ウィリアム・ハート、マズハール・ムニール、アレクサンダー・シディグ

元CIAの職員が自己の体験談を元に書いた原作を『トラフィック』のスタッフが映画化した意欲作。ジョージ・クルーニー扮するCIAとその組織、マット・デイモン扮する商社のアナリスト、原油国の王子とその弟、アメリカの石油会社の人々とその会社を担当する野心家の法律事務所の職員、石油採掘現場の貧しい(アラブ人)季節労働者などなど登場人物とアメリカが中心となっている石油の社会的利権構造を理解するためには、もう1回見ないと理解できないなぁ~。

要するに、この映画は”石油の利権”について影響を受けうるであろう人々を出来る限り多く登場させている。そうすると、貧富の差を問わず、実にありとあらゆる人々が登場し、その背景を描かなければいけないので、約2時間程度で視聴者に伝えようとすると1シーンの密度は濃くなるうえにカット割りも早くなる。頭が悪いので、1回見た範囲では、登場した人々の立場とザックリしたストーリーだけはボンヤリつかむことが出来た。

よくよく考えると石油という利権が、人々に長期的な富や充足感を与えるなんて、あまりないと思う。日本で考えると、末端のガソリンスタンドがあっちこっちで潰れている。その石油だって、いつ底をつくかわからないのだし。きっと世界の裏側で今も似たような事がおこっているのかもしれない。【あゆ太郎のおススメ度=80点】

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2006年3月 3日 (金)

かもめ食堂【ruokala lokki】

Kamome 2005年/日本/102分/監督・脚本:萩上直子/原作:群ようこ/絵:牧野伊三夫/出演:小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ、ヤルッコ・ニエミ、タリア・マルクス、マルック・ペルトラ

料理を作る小林聡美が神々しい。オールフィンランドロケかつ殆ど女性スタッフで撮った意欲作だけに、私が長年待ち続けた”女性が凛として料理する”映画がようやスクリーンに登場した!しっかし、小林&片桐&もたいさんのお3人が揃うとフィンランド人の存在感も薄れるよなぁ~。

フィンランドのヘルシンキに小林聡美扮するサチエが、かもめ食堂を開店して約1ヶ月。ほとんどお客が寄り付かなかった「かもめ食堂」に日本オタクのフィンランド青年が出入りし始め、日本から心の選択にやってきた旅行客ミドリが食堂を手伝うようになり、少しずつ店が活気を帯び始める。「郷に入らば郷に従え」的な手法でなく、ひたすら日本で培った日本料理で、フィンランド人の舌鼓をうならせようとする頑ななサチエ。暇な時間もせっせとグラスを磨いたり、テーブルを拭いたり(しかし、掃除の動作ってこの2つぐらいなんだよなぁ。あれだけきれい好きなら、床掃除だってあっても良かったのに)、労をおしまない分、店に対する想いが深いと判断できる。とにかく、小林聡美扮するサチエがキッチンに立つ姿が神々しく、映画を観ていると、ご飯を食べたくなるというより、料理をしたくなる、そんな作品だ。(以前、私は湯布院映画祭のシンポジウムの中で、近年女性が美しく描かれない映画が多くなった理由を「女が料理を作らなくなったから」だと仮定した。なので、今回の作品で自分の仮定を肯定できたって訳だ)

ただ、フィンランド人はこの作品をどう見るのだろう?ヘルシンキで小社会を築いていく彼女たちは、なぜ?”フィンランド”だったのだろう?(1年ほど前に、この作品の事を聞いた時は、舞台が北極って小耳にはさんだし…)。あえて、『なぜ?フィンランドなの?』という問いに応えなくてもいい。それが映画的手法で想像力を掻き立てるのだとしたらそれで良い。しかし、どこかで『やっぱりフィンランドが好き!』って場面が欲しいのだ。だって、ドイツで撮っても結果が同じなら、フィンランドで映画を撮る意味がないじゃない。この物語で一番欠けているところはそこだ。

作品をみると少なくともフィンランド人は、よそ者にも寛容な民族だと思える。それ以外、フィンランド人の顔が見えるようなシーンがないのも残念!そのフィンランド人を完全に食っているのが、もたいまさこ。肩肘張って、武士道よろしく合気道で自分の精神をひたすら鍛えて、店を切り盛りするサチエ(小林)とは対照的に、「両親の介護20年」を無事終え、開放されて思いつくままいきなりフィンランドにやってきた、ポン!と突き抜けた役どころと存在感たっぷりのもたいさんがマッチしてオモシロ過ぎる。

ところで、この作品の重要な存在として登場するのが、北九州ご出身の牧野伊三夫さんの画(店内の画とメニュー表の画)。牧野さんの素敵な画がこの作品のイメージを統一させてくれて、何とも温かい気持ちにさせてくれている。【あゆ太郎のおススメ度=80点】

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2006年3月 2日 (木)

イノセント・ボイス -12歳の戦場- 【Voces inocentes】

Innocent 2004年度/メキシコ/112分/監督:ルイス・マンドーキ/出演:カルロス・パディジャ、レオノア・ヴァレラ、ホセ・マリア・ヤスピク、グスタボ・ムニオス、ヘスス・オチョア

未だ世界のどこかで紛争や内戦が収まっていない。「現在も30以上の紛争地で、およそ30万人の子どもたちが兵士として働かされている」(チラシより)イノセントボイスは、1980年代の激しい内戦に包まれていた中南米エルサルバドルで、少年時代に徴兵にあった人物の体験をもとにつくられた映画だ。

同じ国の人々が対立する”内戦”だけに、昨年見た『亀も空を飛ぶ』のように(イランやアメリカという他国に翻弄されるイラクの話)、子どもたちが”子ども”としての時期を奪われる壮絶さはない。しかし、内戦の状況を伝える映画としてはかなりリアル。まともな武器を持ち合わせない反政府勢力の活動時間が夜の帳が落ちてから?なのか?毎晩のように、ごく普通の住宅街が政府軍と反政府軍の戦場になるのだ。低く伏せている頭上で飛び交う銃弾。ちょっとした動作がもとで誰が被害を受けてもおかしくない。そんな毎日が繰り返されるのだ。

しかも、12歳になった男の子は有無を言わさず、学校や自宅といった場所で徴兵される。学校で徴兵された子どもたちは当然、親との別れを言う事も出来ず、軍事教育を受けるのだ。(12歳という基準もおおざっぱで、12歳に満たない男の子もどんどん徴兵される)主人公の男の子の12歳は、学校が終わると友だちとプロレスごっこしたり、淡い初恋を経験したり、まだ母親に甘えたかったり、ようやく社会への興味が芽生え始めた頃。まだまだ知りたい事、見たいことがいっぱいの時期にいきなり紛争の最前線におくられるため徴兵されるのだ。

『ホテル・ルワンダ』と同じく、「いつかは終わる」と信じていた”内戦”に終わりが見えず、政府軍による粛清が日増しにひどくなるなか、母親は間一髪助かった息子を亡命させる決心をする。その息子こそ、この映画の原案・脚本をしたロサンゼルス在住の新人俳優オスカー・トレスなのだそうだ。

劇中でいただけないのは、やや煽りすぎの演出と子どもの殺害シーン。世界中の人たちに訴えたい気持ちは理解できるけど、子どもが”殺される”シーンをリアルにする必要性をあまり感じない。(その周辺には、子どもも含む、反政府軍の人々の遺体がゴロゴロしている)今まではしゃいでいた子どもが押し黙ったり、恐怖のために失禁するだけでもじゅうぶん伝わるのに…。母親と主人公の少年が再会するシーンも妙に演出されているので、事実を伝えたいという意図がかすんでしまう。なんか、そこがもったいない。【あゆ太郎のおススメ度=75点】

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2006年2月26日 (日)

クラッシュ【Crash】

Crash 2005年/アメリカ/112分/監督・原案・脚本:ポール・ハギス/出演:サンドラ・ブロック、ドン・チードル、マット・ディロン、ジェニファー・エスポジト、ウィリアム・フィットナー、ブレンダン・フレイザー、テレンス・ハワード、クリス"リュダクリス"ブリッジス、サンディ・ニュートン、ライアン・フィリップ

 アメリカはやっぱり病んでいる。人種のるつぼが生んだ病は癒されるのだろうか??

 当たり前だけれども、人誰もが善と悪の部分を持ち合わせている。場合によって悪意が生まれたり、善意が生まれたりすることは多々あるものだ。その前提のうえに登場人物は、それぞれ人種も立場も違う。しかも、それぞれ個人の問題を抱えているうえに、誰もが”環境”や”過去の経緯”のもたらした影響で、誰かに対して、うっぷんを吐きたいと思っている。

 アラブ人に間違えられて嫌がらせを受けているペルシャ人。極端な人種差別意識を持つ地方検事の妻はセレブな家庭と多忙な夫との生活の中で、自分の居場所を見つけられずにいる。白人の言いなりになって長いものに巻かれる事で、地位を築いてきた黒人TVディレクター。等など。 多くの登場人物の中で一番丁寧に描かれているのが、マット・ディロン扮する短気な警察官。彼は父と2人暮らしのうえ、父親の介護で疲弊している。彼の父親は貧しいながらも差別意識を持たず、黒人と共にゴミにまみれながら清掃の仕事をしていた。しかし、キング牧師の運動で人種隔離制度がなくなると、たちまち父親の仕事は制度のあおりを受け、立ち行かなくなったのだ。

 つまり、誰かが悪いとかでなく、積み重なった環境や思い込みが、互いの摩擦や衝突を導くのだ。映画は、人種のるつぼとなってねじれたアメリカ社会の中で、わずかながらの解決の糸口を提示する。あれだけの登場人物の様々な面をしっかり見せながら、アメリカの風土を描ききっているのだから、やはりポール・ハギスはすごい。(どう!上手いだろ!って言わんばかりなつくりで、時々ムカつくけど…)いま、日本で似たようなコンセプトの映画を撮るとしたら、現代の日本の風土はどう映るのだろう?と考えてしまった。1つ言える事は、日本はアメリカより孤独な人が多いって事だよな。 ところで、前記で「人は善悪持ち合わせている」と書いたが、この映画でなぜか?韓国人だけ良い描き方をされていない。そこが不思議。【あゆ太郎のおススメ度=70点】

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僕のニューヨークライフ【Anything Else】

Newyork 2003年/アメリカ/112分/監督・脚本:ウディ・アレン/ジェイソン・ビッグス、クリスティーナ・リッチ/ウディ・アレン/ダニー・デヴィート/ダイアナ・クラール

いやぁ~、よく喋りますウッディ・アレン。計算したら、今年で71歳!(若い伴侶のおかげで、10歳ほど若く見える)この年にきて、ようやく美女とのラブシーンを諦めたようだけど、手入れが行き届いたピカピカと輝く赤のオープンカーを乗り回す元気ジジイぶりがイケてる。

私よりひと世代前の映画ファンに絶大な人気のウッディ・アレン。彼の作品の切り口は好きだけど、ユーモアのセンスはどこか内向的で未だに好きになれずにいる。それは、いつまでもコンプレックスを武器にしているからだ。その前に進めない大きな子ども感が同時に彼の持ち味だとしても、もう70歳過ぎたのだから、いい加減にしてね。って、思う。そのウッディが、日本タイトル『さよなら、さよならハリウッド』、『僕のニューヨークライフ』(←本作で、ニューヨークに別れを告げる。と、いうか、ウッディ扮する老脚本家がニューヨークでヤバい事して逃げざるを得なくなった、ってストーリー展開になる)と撮影する場所から決別することで、次のステップを踏もうと考えているのかな?と、思ったりする。

とにかく、数日前に台詞の洪水的芝居(うずめ劇場の『我が闘争』)を観たばかりで、あの演劇を反芻しつつ未だ消化できていないまま『僕のニューヨークライフ』を観たのは間違いだったかもしれない。主人公の2人がとにかくよく喋るので、頭がパンクしそうになった。(英語が好きだけど、頭が悪くて覚えられずにいる私が、ささやかな英語勉強法として考えたのが、映画の字幕と英語の喋りを見聞きすること。これは小学生高学年の頃から始めているのだけど、今回はそのクセのおかげで小さい脳ミソが爆発しかけたって、訳)

クリスティーナ・リッチの小悪魔ぶりがとっても良いのだけど、彼女の母親も含めてウッディが描く女性像が20年ぐらい前のまま。そこが女性として面白くないよなぁ。【あゆ太郎のおススメ度=70点】

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2006年2月22日 (水)

PROMISE-無極- 【THE PROMISE】

Promise 2005年/日本・中国・韓国/128分/監督・脚本:チェン・カイコー/チャン・ドンゴン、真田広之、セシリア・チャン、ニコラス・ツェー、チェン・ホン

噂には聞いていたけど、チャン・ドンゴン&猛牛駆け巡りシーンには、案の定大笑い!(『イーオン・フラッグス』といい、四つん這いが流行ってンのか?)ニコラス・ツェー以外、良い部分を引き出してもらえないまま主役3人は不完全燃焼で終わったように思えますけど…。結末にも唖然…。アジア版『ロード・オブ・ザ・リング』を狙ったとの噂もありますが、噂なんでしょう、やっぱり。

うちの伴侶曰く、「何かを達成するために、何か大きい欲求をあきらめる」というテーマにほれる、と。そうよね、確かに、そういう感覚はアジア人的な美学かもしれない。に、しても主人公3人それぞれの「代償と手に入れたもの」が見てる側に伝わってこないので、どうしょうもない。真田広之演じる将軍が、無敵の鎧を手に入れた代償は、一体何だったのか?セシリア・チャンは子ども時代に「真実の愛を得るか?」選択事すら出来たのに、他の登場人物は有無をいわせず代償の運命を背負ったのでは?(特にチャン・ドンゴンは)

結局、バックボーンと現在の姿がよく見えたのは、日本国内の宣伝で”主人公”と言われていた3人ではなく、ニコラス・ツェーと彼の部下だった殺し屋。なら最初から、真田広之が主人公の1人と言わなきゃ、いいのにね。真田広之のアクションシーンは、得意な武術を使わせてもらえず、本領発揮できていない感じがする。

「代償と引き換えに背負う運命」というコンセプトがことごとく破綻していくので、中盤から、セシリア・チャンとチャン・ドンゴンが愛を成就するという結末が見え見え。映像は確かにキレイだけど、特筆したいぐらいヒドいと言いたいのは、映画の要となる『少林サッカー』なみのCG。(ちなみに、『少林サッカー』はコメディですから…)これ程破綻するなら、もっとブッ飛んで欲しかった。笑いがとれるからね。【あゆ太郎のおススメ度=65点】

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フライトプラン【FLIGHTPLAN】

Flightplan 2005年/アメリカ/98分/監督:ロベルト・シュヴェンケ/出演:ジョディ・フォスター、ピーター・サースガード、ショーン・ビーン、エリカ・クリステンセン、ケイト・ビーハン、マーリーン・ローストン

物語の3分の2を過ぎたら結末が見える映画。才女、ジョディ・フォスターも、こうこの程度止まりなのか…。

レディスデーに見に行ったからなんでしょうか?女性のお客さんがたくさんいました。この映画に何を期待して見に来たかは不明です。時間つぶしにしては、途中で先が見えてしまう。この作品に出てくるジョディの母親像は単にマッチョなだけで、「イカれている」と言われても仕方ない言動を取りまくるので、いくら航空機の設計士だろうと”憧れ”など爪の垢ほども浮かばない。全体的に中途半端なつくりで、1ヶ月も経てば忘れてしまう率高し。【あゆ太郎のおススメ度=55点】

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ウォーク・ザ・ライン/君につづく道【WALK THE LINE】

Walk 2005年/アメリカ/136分/監督:ジェームズ・マンゴールド/原作:ジョニー・キャッシュ/出演:ホアキン・フェニックス、リース・ウィザースプーン、ジニファー・グッドウィン、ロバート・パトリック

主演2人の歌の上手さにビックリ!尖りアゴでちっとも可愛くないリース・ウィザースプーンは嫌いな女優でした。しかし、この役は良かった。最後までムカつかずに見る事が出来たから。アカデミー主演女優賞取るほどの演技じゃぁなかったけど…。

ジョニー・キャッシュが活躍したのは、1950年代から。第二次世界大戦後、貧困にあえぐ白人の低所得世帯に生まれたジョニーは、「黒人以下の仕事」と愚痴をもらしながら共働きする両親を尻目に大好きな兄と音楽をこよなく愛する少年。しかし、仲良しだった兄を事故で亡くした事で大きなトラウマを抱える事になる。ただえさえ、唯一の理解者の兄を失った事と、貧乏から脱却したい父に期待を受けて、それに応えている聡明な兄を失った事がジョニーの生活環境も心のうちを一変させる。

しかし、その出来事が彼の類まれなメロディーを生み出したと言える。一方、ジューン・カーターは音楽一家の中で、家族の愛情に恵まれた、豊かな土壌で育まれた能力。ジューンは、厳格なカトリック信者だが、ある意味世間知らずがたたって、結婚に2回も失敗する。その生まれ育ちが全く違う2人がどうやって、重なり合っていくか?がこの映画の1つのポイントだ。最終的に、彼女の心を察した、ジューンの両親のアシストがあって、2人の恋が成就する、って結果はちょっと以外だった。

個人的には冒頭のフォルサム刑務所でのライブシーンが一番お気に入り。主演の2人は本当に歌が上手い。【あゆ太郎のおススメ度=75点】

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2006年2月11日 (土)

ミュンヘン【MUNICH】

Munich 2005年/アメリカ/164分/監督:スティーヴン・スピルバーグ/出演:エリック・バナ、ダニエル・クレイグ、ジェフリー・ラッシュ、マチュー・カソヴィッツ、ハンス・ジシュラー、キアラン・ハインズ

やっぱりスピルバーグは信頼できる映画監督。世界で物議がおきる事を承知で制作した大作は、やはり、すばらしかった!『トロイ』、『ハルク』以来ファンになったエリック・バナが主人公っつ~のも、良かったっス。

1972年のミュンヘンオリンピック会期中に実際に起きた11人のイスラエル選手がパレスチナゲリラのテロリストグループに殺されるという事件がおきる。私より少し年上の人たちは、この大事件を克明に覚えている人が多い。実際にテレビで放映された映像が登場する冒頭に先ずゾッとする。(と、いうかオリンピック選手村のセキュリティの甘さとドイツ側の失策が惨劇を招いたとも仮定できる。サッカーワールドカップを控え、開催地であるドイツは心穏やかに見れるはずがない冒頭だ)この事件を機に、イスラエル機密情報機関モサドは報復としてテロリストグループ暗殺チームを結成する。

5人の暗殺チームはプロフェッショナルな暗殺チームと思いきや、対外的に暗殺チームとバレにくい面子。獲物を一人ずつ仕留めていくうちに、互いが決して精鋭といえないメンバーである事を知る。殺人という重い任務を背負った彼らが、国家のためと疑いを持たず行動する期間はあまりにも短かった。報復が報復をよび、自己が狙われるという恐怖・信じていた国家への疑心・自戒の念…主人公アヴナーを次々と襲う感情に自己を見失わなずに済んだ糸口は、アヴナーが帰るべく場所と思っている絶対的な存在、つまり妻だった。

暗殺チームの面々の立場も微妙に違うところがいい。主人公のアヴナーはイスラエルが建国された後に生まれ育った世代。親の世代は安住の地を持てず、ヨーロッパをさまよい、多くのユダヤ人がナチスの手に落ちた。アヴナーはいわば2世のようなもので、親の苦労を話に聞いているだけ。一方、運転手はアヴナーと同年代だけれども、存亡の危機にさらされた同族に対する想いが強い。年長者の2人は年上だけに、危機にさらされた時期を乗り越えてきた血の臭いが漂う。最年長で文書偽造のプロ・ハンスが、パレスチナ人をなりふり構わず何が何でも殺そうとするシーンは、ドイツ生まれのユダヤ人という設定だけに、彼が過去に受けた経験が怒りとなって爆発したものだと思う。

情報屋にハメられ、敵側と身分を隠し、同室で寝ることになったアヴナーがパレスチナ人青年に聞かされた言葉「自分たちの国が欲しい」は、アヴナーの親の世代が語っていたセリフだ。ユダヤ人がイスラエルに入植し、玉突きで放浪をやむなくされた彼らの存在が決定的にアヴナーの心理を変えていく。何度思い返しても、ホントに、よく出来ている。アカデミー賞や前哨戦のゴールデングローブ賞で正当な評価を受けて欲しいものだ。(アカデミー会員は、授賞式をテロに狙われる危険性を避けるかもしれない)

ちなみに、うちの旦那と一緒にこの作品を見たのだけど、中盤からずっとダンナがイライラすると出るクセ→利き手じゃないほうの爪を掻きむしっていた。ダンナ曰く「出口が見えなくて、辛かった」と。そう、出口が見えないからこそ、作品を観た1人1人が思考し、それなりの行動すれば、少しは明るい未来が見えるのではないか?やはり、スピルバーグは21世紀を代表する偉大な映画監督なのだ。【あゆ太郎のおススメ度=85点】

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2006年2月 8日 (水)

世界【世界】

Sekai 2005年/日本・フランス・中国/133分/監督:ジャ・ジャンクー/出演:チャオ・タオ、チェン・タイシェン、ジン・ジュエ、シャン・ワン、リュウ・チュエン、ワン・ホンウェイ、リャン・チントン

近代化の波に飲まれている中国を憂いて『単騎、千里を走る。』を制作したチャン・イーモウ監督、ぜひ、あなたの後輩が監督した『世界』をご覧下さいナ。ネガティブキャンペーンじゃないけど、「今、そこにある問題」に目を向けたほうが人の心に訴えやすいと思いますよ。時代の波に飲まれ、もがき苦しむ若者の姿が・痛みが彼らと同じ視点でスクリーンに描きだされた傑作!

今年は映画の当たり年。年頭から良質な作品が次々と公開されて、映画ファンとしては喜ばしい。この作品もその1本。たぶん私の2006年外国映画ベスト5入り間違いなし!

近代化の波が押し寄せる中国。北京郊外に実在する「世界公園」は、世界じゅうの名所100以上を縮小して再現したテーマパーク。(さすが、コピー王国!)観光スポットとして人気のあるそのテーマパークで、踊り子として働くタオが主人公だ。タオは年下のダンサーから「姐さん」と呼ばれ、多くの同僚からシッカリ者として慕われている。しかも、男前で同じ職場で働く警備主任の恋人とは公認の仲だ。 しかし、彼女の心の中は想像すらできない将来への不安や閉塞感でいっぱいなのだ。

世界公園という設定がいい。ここに来れば「世界の名所を知ったも同然」とうそぶくパーク側とは裏腹に、このテーマパークで働く若者の何人が現物の世界の名所をその目で見るというのだ。パークの裏側で長年働く者として、ハリボテの中で生きる虚しさを感じていたタオの所へ、昔の恋人が現れ、モンゴルへ行くと語る。都会で暮らすことと同時に戻れなくなった田舎暮らし。虚像の中で働き、どこにも行けないと思い悩む彼女が焦りを感じ始める。シッカリ者の反面、純粋な心を持つ彼女は現在の恋人との関係にも決め手がなく、結婚という確約がなければ身体を許そうと思わない。タオが欲しいのは、現実を生きているという実感と描きうる将来だ。

こうした見えぬ将来への焦りは、30歳を目前にした頃の私にも身に覚えがある。破綻しそうな年金問題、公務員でもない限り一生懸命仕事しても女一人で食べていける程の給与をもらえない現状。あの頃は伴侶もおらず、漠然とした将来への不安ばかり募っていた。(それは30歳を過ぎて、少し吹っ切れたのだけど…)急激に移り変わっていく中国で女として、一人の人間としての焦りを抱える彼女の想いには共感ひとしきりだ。

タオの心の葛藤を描きつつ、彼女の周囲にいる同年代の生き様や(貧しさゆえに都会で重労働を重ね労災に遭い死ぬ若者、友人の金品を盗む者、母国に見切りをつけ海外へ渡る者)、欧米のカルチャーが彼女たちの生活の中に浸透している状況も描かれる。翻弄の波の果てに、現実を失うことでタオがつかんだ幸福はあまりにも哀しい。【あゆ太郎のおススメ度=90点】

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単騎、千里を走る。【千里走単騎】

Tanki 2006年/中国・日本/108分/監督:チャン・イーモウ/出演:高倉健、チュー・リン、ジャン・ウン、リー・ジャーミン、中井貴一(声)、寺島しのぶ

チャン・イーモウ、高倉健に遠慮しすぎ。同作品を扱ったNHK特番のほうが良い出来だっただけに、期待していただけに、劇場を出る際、ちょっとした落胆状態になった。

日本人の眼からするとアジア最強のタッグと信じていた本作。蓋を開けると単なる健さんのドキュメンタリー的作品だった。チャン・イーモウといえば、ほとんどドキュメンタリータッチで撮った傑作『あの子を探して』という作品がある。中国の貧しい山間地で中学生のような少女が小学校教師として奮闘する物語。素人の女の子を主人公に描くこの作品は、ドキュメンタリー的な手法がストーリーの意図を明快に浮かびあげる事が出来た。

しかし、健さんは銀幕の世界で多くの人々に感動を与えてきた、いわば”フィクションの人”である。だからして、最初からこのドキュメンタリータッチの手法にそぐわなかったのでは?NHKの番組で健さんご自身も驚いていたが、オーディションで選ばれた中国の素人役者の演技力がすばらしく、時に健さんが食うシーンまである。それは、常に控えめで謙虚な健さんの姿勢がそうさせているとも言える。だとすると、監督はその控えめな健さんの資質も含めて、もう少し健さんをカッコイイ主人公にしても良かったと思う。

監督は「急激に近代化して、人と人とがわかりあえなくなってきた中国の状況を危惧して作った作品」と話していた。同時に「言葉も文化も違う人たちがぶつかりあってコミュニケーションを築く様子を描きたかった」とも。しかし、その熱い気持ちは映画を観おわってもあまり伝わらない。費用と歳月をかけた割りに、期待も膨らんでいただけに少々肩すかしな一作だ。【あゆ太郎のおススメ度=70点】

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白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々【Sophie Scholl - Die letzten Tage】

Sophie 2005年/ドイツ/117分/監督:マルク・ローテムント/出演:ユリア・イェンチ/アレクサンダー・ヘルト/ファビアン・ヒンヌリフス/ヨハンナ・ガストドロフ/アンドレ・ヘンニック/フロリアン・シュテッター/ヨハネス・シューム/マキシミリアン・ブリュックナー

 1943年、自滅的ともいえる戦闘を繰り広げ、敗北が濃厚になってきたヒトラー政権末期。ユダヤ人虐殺だけでなく、ドイツ国民の自由をも奪っていた独裁者ヒトラーに対して、非暴力で抵抗運動を行ったドイツ人レジズタンス組織『白バラ』の存在があった。この映画は、、『白バラ』の紅一点だったゾフィー・ショルがむかえた最期の6日間(ヒトラー批判のビラづくり→ビラ配り→逮捕→尋問→拘置→裁判→処刑)を90年代に出てきた新たな資料と制作スタッフの聞き取り調査をもとに事実に忠実に作られた作品だ。あまりの忠実さに研究者が驚いたほど、と言う。

 反ヒトラー運動『白バラ』の主な行動は、6回にわたるビラの作成と配布・郵送、そしてミュンヘン市内の建物に反ヒトラーのスローガンを落書きすること。独裁政権のもと、それがどれだけリスクのあったことか。

 逮捕前夜、兄の恋人であり、友人でもある女友達とラジオから流れる英語の歌を密かに楽しむゾフィー。それは、ごく普通の女子大生の姿だ。

 ゾフィーの父親は町長をしていたが、ヒトラー政権へ批判をした事で投獄され、任をとかれた経験がある。ゾフィーより先にミュンヘン大学に入学していた兄ハンスは医学部だったので、兵役で衛生兵として東部戦線に行き、無駄死にする多くの仲間を目の当たりにしたことが大きな要因となって『白バラ』の活動を始める。ゾフィーが『白バラ』の一員になったのは家族の影響が大きい。

 しかし、彼女はなぜ命をかけてまで、信念を貫き通したのだろう?恋人や友達に恵まれ、音楽や芸術に親しみ、青春を謳歌していた彼女が、どうしてなのだろう?ノンポリのドイツ人と言い通して普通に暮らしていれば、彼女の望みどおりのごく普通の幸せが手に入ったかもしれないのに…。

 逮捕後、ゾフィーは罪を逃れようと画策する。しかし、ゾフィーは尋問を受けるうちに、その純粋さゆえに自分の信念を固めていく。尋問するゲシュタボ将校も表情こそ硬いままだが、次第に彼女の姿勢に心打たれていく。

 逮捕から裁判、刑の執行までたった5日間。しかも、斬首という極刑。いかにナチスが『白バラ』を、真実が露わになるのを恐れたかよくわかる。【あゆ太郎のオススメ度=90店】

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2006年2月 4日 (土)

オリバー・ツイスト【Oliver Twist】

Oliver 2005年/フランス・イギリス・チェコ/129分/監督:ロマン・ポランスキー/原作:チャールズ・ディケンズ/出演/バーニー・クラーク/サー・ベン・キングスレー/ハリー・イーデン/ジェイミー・フォアマン/エドワード・ハードウィック/リアン・ロウ

『戦場のピアニスト』で世界を感動させたポランスキーの意欲作。CGを一切使わず、巨額を投じて19世紀のイギリスの街を再現するなど、古典を丁寧に撮っているだけに、映画の持つ純粋なテーマが時代的にマッチングするのか?不安。

19世紀の英国。孤児として育った少年オリバーは階層重視という考えがはびこる社会で、まるで家畜のような扱いを受けていた。誰の教育を受けないまま育ったオリバーは、むしろ真っ直ぐで無垢。しかし、集団の中においては、規律を乱す常識を知らない頑固者とみなされる。孤児院生まれゆえ彼の言葉すら聞いてあげる人もまばらだ。子どもながらにオリバーは、このような社会の仕打ちに我慢が出来ず、一人トボトボと都会を目指す。

 オリバーが辿りついたロンドンは大都会。貧富の差が激しく広がり、貧民の住む地域は窃盗、強盗団の温床となっていた。何も判らないまま同年代の孤児仲間が暮らす窃盗団の住処に身を落ち着けたオリバー。社会の冷たい仕打ちを受けて育った孤児仲間の心はスレていて、「唯一の拠り所」と疑いを持たずボスに従うままスリや売春を続け暮らしていた。対照的に、小さいけれども純粋な自己の眼差しで物事を見つめて行動するオリバーは次第に周囲を変えていく…。

 1人の清い心を持った少年が周囲を浄化に導き、自分の人生を自分で切り拓いていくという物語。同時に、英国には罪を犯したものをきちんと罰しなければいけないという社会的モラルがある、とも言いたかったのか。にしても19世紀の英国時代以上に現代社会は腐敗し、個々のモラルが崩れていく中で、現代人がこの映画を見て、少しは共感出来るのだろうか?共感出来たとしても、今の社会を振り返り、「手遅れ」と悲しい思いに浸るのでは?常に時代を先取りして、ゴシップネタも作ってきたポランスキーだけに、どうしてこの古典を映像化したかったのか?正統派過ぎて少し肩透かしを食らった感がある。 ところで…、どう見てもベン・キングスレーがジェラール・ドパルデューに見える私って、目がヘン?【あゆ太郎のおススメ度=65点】

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2006年2月 2日 (木)

その男、凶暴につき

Sonootoko 1989年/日本/103分/監督:北野武/原案:奥山和由/出演:ビートたけし、白竜、川上麻衣子、佐野史郎、芦川誠、岸部一徳、音無美紀子、平泉成、吉澤健、趙方豪

邦画を中心とした名画座シネマヴェーラ渋谷で鑑賞しました。たまたま東京出張の隙間をぬって映画館を観に行ったところ、ちょうど北野武監督の作品の特集上映中で、タイミングよく、映画館のシートに身を沈めることができたのです。

映画の制作現場は型破りで大変だったと以前、テレビで聞いた事がありますが、北野武の初監督作品とは思えない、ちゃんと映画になっていて、面白い!それに、みんな若い!(寺島進のサスペンダーばきのチンピラ役は必見!)北野武がバイク事故に遭う前なので、野性的だし、何と言っても男前でカッコイイよなぁ~。と、いうか、出演する男はみんな脂ギッシュで、男の匂いがにおってくるようで、いいなぁ~。その時代には、その時代にしか撮れない映画がある、と、懐かしさを覚える。

作品のグラウンドは、その後の北野武作品に度々登場する、どこか不自由なヒロインとアウトローな男性の関係とその周辺社会。北野武的男の美学は既にこの時確立されていたのだな、と、シミジミ感じました。【あゆ太郎のおススメ度=80点】

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ゲルマニウムの夜【The Whispering of the Gods】

Geruma 2005年/日本/107分/製作総指揮:荒戸源次郎/原作:花村萬月/監督:大森立嗣/出演:新井浩文、広田レオナ、早良めぐみ、木村啓太、大森南朋、津和孝行、大楽源太、山本政志、三浦哲郁、麿赤兒、石橋蓮司、佐藤慶

 そこまでやりますか!石橋蓮司。映画の内容以上にあなたの芝居に脱帽します。

今のところ無神論者の自分にとって神様(あるいは宗教)はちょっと離れた所にあって、頭で理解するものになっている。今年見た映画の中にも、心の平静や救いを求めて神の存在を多くみた。しかし、その神は絶対無二なものなのなのだろうか…?かつて修道院で育ち、(おそらくその聡明さゆえに)修道院の院長の慰み者になっている青年が、殺人・暴力・強姦と罪の限りを尽くす。父親の存在と敬っていた老神父にも懺悔部屋で罪の全てを告白し、挑発する。果たして神は万能なのか?と。

 神が万能かどうか?で、いつも題材にあがる宗教はどうしてもキリスト教だ。あまり詳しくないし、私見だが、例えばイスラム教やヒンズー教の信者は神に対して疑う余地など持ってないように思う。仏教徒は(神という考え方じゃないから比較にならないかもしれない)宗教はそれほど万能でない、あの世で自分や先祖が平静を得るため、ひいては日常の平静を得るため程度に割り切られているように思う。キリスト教徒が多いこと、キリスト教が唱える奇跡を含めた万能性が、こうした物議をおこしてしまうのかもしれない。

 現実を見つめると、もう神の存在などほとんど無く(かすかな奇跡は信じたいが)、殺伐とした現実だけが存在する。登場人物の中でただ一人、完全に現実から逃避している石橋蓮司扮する院長を除いて他のみんなはその事に気付いているのだ。そのブッ飛び具合は尋常でなく、もぅ笑うしかない。

 私がこの作品で少し足りないと感じたのは、主人公は神の存在あるいは神の存在を信じる人に挑戦するために意識的に罪を犯したのか?それとも内なる欲求が彼を罪へと導き、結果的にそうなったのか?だ。最近、活字離れ著しいだけに、避けていた(原作)本を読むしかないですね。

Ittukaku 『ゲルマニウムの夜』を上映するために、東京国立博物館の一角に建てられた劇場「一角座」は、東京上野のアカデミックな場所に在ります。劇場は、音質と画質にこだわった作りで、とても落ち着けます。観客に対するホスピタリティと映画に対する想いと観客に問わんとする確たる題材。そうした意気込みが日本映画界全体に届いて欲しい!ところで、『ゲルマニウムの夜』上映終了後、この劇場どうなるのでしょうか?解体するにはもったいない上質な施設です。お金ないけど北九州に欲しいなぁ…【あゆ太郎のおススメ度=85点】

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2006年1月31日 (火)

ホテル・ルワンダ【Hotel Rwanda】

Rwanda 2004年/南アフリカ・イギリス・イタリア/122分/監督・脚本:テリー・ジョージ
出演:ドン・チードル、ソフィー・オコネドー、ニック・ノルティ、ホアキン・フェニックス、デズモンド・デュベ、ファナ・モコエナ

 世界が見て見ぬふりしている間に、ルワンダで罪もない人間がたった100日で100万人も殺された。それも、ナタのような原始的な凶器で次々と。1994年といえばじゅうぶん現代社会である。ルワンダの四つ星ホテルで支配人を勤めるルセサバギナは内戦が勃発する足音を感じながらも、内戦がおきても「こんな事は長く続く訳がない。世界が自分たちを助けてくれる」と何度も望みを託しながら語る。未開の山林でもなく、メディアも電話も行き届き、四つ星ホテルが存在した地でなぜ、そんな凶行が横行したのか?制度と現場状況のはざ間でジレンマを抱く国連軍もとい、”平和”維持軍の無力さといったら情けない。従事している彼らも本当に情けなかっただろう。(平和が前提の軍なのだ。だけど、平和だったら軍を置く意味はない。ルワンダにおいて平和維持軍はただの矛盾の産物なのだ)ちなみに、ソマリアの内戦でいらぬカウボーイぶりを発揮して、痛い目に遭った後だったアメリカはルワンダの内戦にいっさい介入しなかった。(原油等うま味のない国に興味ないんだろう)

 「ルワンダのシンドラー」と呼ばれるルセサバギナ氏。この映画は、彼がそう呼ばれる存在にならざるを得なかった過程が描かれている。ルワンダの紛争はツチ族とフツ族との民族間同士の争いによるもの。ツチ族の妻を持つフツ族のルセサバギナは、妻や子供に殺戮の手が届かないように自分の地位・コネ・金を駆使する。フツ族の穏健派であり、上層部にコネクションを持ち、影響力がある彼の元に次々と助けを求めて人が集まってくる。「家族を助ける」事が原点だった彼の行動は、人に頼られる事と自分の持ちえる能力を自覚・発揮することで、次々と窮地を逃れていく。遂には、フツ族の将軍相手に大博打を打ってまで出るのだ。以前、「種の起源」?を読んだ時に、命の存亡に遭った種族の種は強くなると書いてあった記憶がある。ルセサバギナ自身は生命と種の存続の闘争を行い、その彼の強さに頼った人々が結果的に生き延びる事が出来たのではないだろうか?シンドラーのように人情・正義感・義務感的なもので人々を守ったのでなく、ルセサバギナはもっと根源的な要因で動いていたと思う。だからこそ、胸を打つのだ。

 ツチ族とフツ族の民族紛争のもとを辿れば、第三国の介入だ。ルワンダは、第一次世界大戦の戦利品としてベルギーに与えられた。ベルギーは、容姿が白人に近いツチ族に優遇措置をとった。第三国が持ち込んだ”差別”が、時を経て大虐殺の歴史を生んだのではないだろうか?だからこそ、「干渉しない」と言い放ち、見てみぬふりをした各国の罪は重い。国連軍は紛争勃発後、兵隊を激減させたのだという。

 それにしても、どの役者の演技もすばらしい。ルセサバギナの妻役ソフィー・オコネドーは特に凄い。ニック・ノルティの無力で情けない平和維持軍の大佐ぶりもいい。それに、チョイ役で出てたので「よく似てる俳優がいるなぁ~」と思っていたら、やっぱりホアキン・フェニックスだったり、”あの”フランスの名優がこっそり重要な役で出ていたり(重い映画なのに、彼が画面に出たとたん試写室に笑いがおきた)と、キャスティングも冴えていえる。

 こんなに素晴らしい映画(昨年のアカデミー賞作品部門にノミネートされている)なのに、日本国内で配給が付かなかったなんて情けない。と同時に、一般市民の署名がもとで国内での劇場公開にこぎ着けた経緯がこの作品らしいし、映画公開の新しいあり方が見えてきて、様々な面において今年屈指の一作になること間違いなし!【あゆ太郎のおススメ度=100点】

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2006年1月25日 (水)

綴り字のシーズン【BEE SEASON】

Season 2005年/アメリカ/104分/監督:スコット・マクギー&デヴィッド・シーゲル/出演:リチャード・ギア、ジュリエット・ビノシュ、フローラ・クロス、マックス・ミンゲラ、ケイト・ボスワース

 『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』に続き、今年2本目の天才一家の苦悩物語。何となくリチャード・ギアの教授役に無理があるのでは?ギア扮するカリスマ親父に影響を受けすぎた妻と子ども達の顛末だからこそ、彼の存在がもっと圧倒的なものであって欲しかった。(その点、『プルーフ~』の天才数学者役アンソニー・ホプキンスはハマっていました!何てったって、レクター博士ですから…)秀才家族の中で味噌っかすと思われていや末っ子が、ひょんな事で天才ぶりを発揮し始めると、家族のそれぞれが持っていた”病”が一気に発症していく。魂の彷徨?と言わんばかりに散り散りバラバラになっていく家族。親父がヒンズー教に傾倒している事への反発からか?息子はインド系の宗教にのめり込むし、妻は盗みに夜な夜な徘徊とハンパじゃないほど病んでいく(ガレージ1棟内にまるっと光り物を集めるまで夫も警察も気付かないもんだろうか?)。そして、「どうなっちゃうんだこの家族?」と、思っていた矢先、末っ子が父親の期待を裏切る行動をおこしてTHE END。映画が終わってしまうのだ。(あ~、それまで家族の中で誰も親父に反抗してなかったのね。仮面家族だったのね~)

 末っ子の女の子も『プルーフ~』のパルトロウと同じように父親の知性を受け継ぎ、天才的な能力を発揮する。その能力が、『プルーフ~』の数学のように論理的な組み立てとひらめきで発生するものなら、違和感を感じなかったと思う。しかし、この作品で登場する天才少女は、年の頃なら小学生高学年。しかも、様々な言語の綴りが頭に浮かんでくる神がかり的な能力の持ち主なのだ。長い年月培った素養とは無縁の超越した能力を持つ超能力者?!どう捉えていいのやら…。他にも、ジュリエット・ビノシュの脳裏に浮かぶフラッシュバックをどう理解したらいいやら…。あれこれ腑に落ちない点が多すぎるし、家族の崩壊と再生を描くとしたらリアリティが必要だったのでは。【あゆ太郎のおススメ度=60点】

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天空の草原のナンサ【the cave of the yellow dog

Nansa 2005年/ドイツ/93分/監督・脚本:ビャンバスレン・ダバー/出演:
ナンサル・バットチュルーン、ウルジンドルジ・バットチュルーン、バヤンドラム・ダラムダッディ・バットチュルーン、ツェレンプンツァグ・イシ、ナンサルマー・バットチュルーン、バトバヤー・バットチュルーン、犬=ツォーホル

 子ども達の表情の豊かさが何ものにもかえがたい。登場する家族は自然の厳しさと日々向き合いながら、豊かな生活を営んでいる。家族を見つめる監督の優しいまなざしも伝わってくる。むちゃくちゃ感動する作品ではない。けれども、何度も何度も繰り返し見たくなる愛おしくて頬ずりしたくなる作品です。

 遊牧民の住居ゲルや衣装の色彩の美しさが日々の生活で得る豊かさを物語っています。こうした豊かな営みの一方で、モンゴルの民主化は、モンゴルの人々の生活と文化を蝕んでいるのかもしれないとも思うのです。先進国と同じような発展の仕方はグローバリズムに巻き込まれているだけ。監督が遊牧民の馬車と選挙を促す政府の車をすれ違うシーンを撮ったのはそうした事への警鐘かもしれない。モンゴルの遊牧民が育んだモンゴル特有の知恵や文化が次の世代にも継承されることを心より願っています。【あゆ太郎のおススメ度=95点】

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2006年1月22日 (日)

キング・コング【King Kong】

Kingkong 2005年/アメリカ/186分/監督:ピーター・ジャクソン/出演:ナオミ・ワッツ、ジャック・ブラック、エイドリアン・ブロディ 、トーマス・クレッチマン、コリン・ハンクス、アンディ・サーキス、ジェイミー・ベル

真冬のニューヨークの、しかも高層ビルの屋上でひらひらノースリーブ姿のナオミ・ワッツがキング・コングの存在以上に不自然。ジャック・ブラックは監督自身を投影したくて配した配役?髑髏島はピーター・ジャクソンの遊びどころなのか?クリーチャーのアミューズメントパーク!とにかく、突っ込みどころ満載の3時間!思わず元ネタが観たくて、本屋で売っている500円DVD買っちゃいました!

感想は後日。【あゆ太郎のおススメ度=楽しめたで賞80点】

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2006年1月21日 (土)

プルーフ・オブ・マイ・ライフ【Proof】

Proof 2005年/アメリカ/103分/監督:ジョン・マッデン/出演:グウィネス・パルトロウ、アンソニー・ホプキンス、ジェイク・ギレンホール、ホープ・デイヴィス

 天才と馬鹿は紙一重。天才的な頭脳の持ち主は、同時に繊細な神経を持っているって訳か。凡人に生まれてよかった…と、思うべきなんでしょうか?真摯に作られていて嫌いではない。しかし、同名舞台の映画化との事。この作品の良さは舞台で観るのが一番なのでは?

感想は後日。【あゆ太郎のおススメ度=70点】

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2006年1月20日 (金)

スタンドアップ 【North Country】

Standup スタンドアップ 【North Country】

2005年/アメリカ/124分/監督:ニキ・カーロ/原作:クララ・ビンガム,ローラ・リーディー・ガンスラー/出演:シャーリーズ・セロン/フランシス・マクドーマンド/ショーン・ビーン/リチャード・ジェンキンズ/ウディ・ハレルソン/シシー・スペイセク

シャリーズ・セロン、『モンスター』なんかより、この作品でアカデミー賞取って欲しかった!!でも、演技としては迫真のフランシス・マクドーマンのほうがはるかに上かなぁ。

と、ある鉱山の職場でおきた女性に対するセクハラに集団訴訟して勝訴。その後、男女平等の意識を世界に浸透させていった実話に基づく映画だ。日本だって、ほんの10年前は似たような状況だった。業者に新人女性職員が入社すると、一人残らず品定め的にお尻を触る役所の男性職員とか、ごく普通にいたよなぁ~。(ソイツは、さすがに市役所の女性職員のお尻はタッチしなかった。それこそセクハラの極みな奴だったって訳か!)

★約20年前に工業高校を卒業した筆者。だから、この作品に出てくる男性の集団心理がミョーに良くわかる。劇中、女性用の簡易トイレの獲得でひと悶着起きる訳だけど、思い起こせば入学当初、校舎内に女性用のトイレなんてなかった(高校2年になってようやく女性専用のトイレが出来た。それまでは男性も兼用の職員トイレを使っていた)、入学したばっかりの時、クラスメートに「お前のせいで40人の定員に入れなかった男がかわいそうだ。女はどうせ結婚して家庭に入る。この学校で勉強する意味ないだろう!」と、面と向かって文句言われた事もあった。結局、私は結婚しても仕事を続けているし、「1人の人間として、自立して生活したい」と、思って手に職を付けたくて工業高校に入ったのだ。それは、主人公のジョージーのたった1つの願いと同じなのだ。その願いは男だって同じだと思うんだけど、ね。だからこそ、ごく当たり前のささやかな願いを、常に監視しつつ、時に暴力に及び、悪事を見てみぬふりしてまで阻止しようとする男たちの集団心理は、とてもとても浅はかで惨めだ。
 物語は、周囲の悪評を浴びる一人娘ジョージーを静かに見守っていた専業主婦の母親に反旗を翻されたのがきっかけ?で、ジョージーの父の言動が変わっていくところから転換し、グッと面白くなる。父親が『聖域』と思い込んでいた集団(職場)の現実は、あまりにも卑劣な所だった。そして、自分が本来守るべき最小の集団は家族なのだと覚悟を決め、娘や妻と共に勇気の一歩を踏み出すのだ。心に傷を負い、田舎に帰ってきた弁護士も同じで、ジョージーと出会ったことをきっかけに心境が変わっていく。そして、セクハラ訴訟で苦戦を強いられていた女性を反面教師に、集団訴訟という術を思いつき、新たな一歩を踏む。さらに、裁判が進むにつれ、ジョージーに対して、執拗なセクハラを迫っていた同級生も事実を証言することで新たな一歩を、そして更に集団訴訟の一員になった人々(老若男女ってところが良い!)も新たな一歩を踏み出す。小さな一歩が集まって歴史を変えていくのだ!
 一見、「窮鼠猫を噛む」的内容に思える。しかし、誰もが貧しく、豊かな暮らしを求めている高度成長期において、男女問わず「長いものに巻かれざるを得なかった時代」が存在したのだ。フランシス・マクドーマンド扮するグローリーが女性なのに誰からも一目おかれている理由を夫が「中立を保って、一匹狼だから」と説明するくだりが、そうした背景を裏付ける。時代背景など構わない「家族と幸せに暮らしたい、働いて自立したい」と願う(それは、ごくごく普遍的なものだ)、ジョージーの行動の一歩が、長いものに巻かれ鬱屈していた者、諦めていた人々の目を覚まさせる。事実に基づいて作られた作品だけに、この集団訴訟は、歴史上の必然なのかもしれないと思ったりもする。
 俳優陣もフランシス・マクドーマンドほか芸達者な役者が本領発揮してるあたりも見どころ。アメリカでの本当のタイトルは『ノースカントリー』だけど、日本でのタイトル『スタンドアップ』のほうがしっくりくる内容です。【あゆ太郎のおススメ度=75点】

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2006年1月14日 (土)

THE 有頂天ホテル

Uchoten 2005年/日本/136分/脚本・監督:三谷幸喜/役所広司,松たか子,佐藤浩市,香取慎吾,篠原涼子,オダギリジョー,麻生久美子,YOU,生瀬勝久,戸田恵子,角野卓造,浅野和之,近藤芳正,寺島進,川平慈英,堀内敬子,梶原善,石井正則,原田美枝子,唐沢寿明,津川雅彦,伊東四朗,西田敏行

筆耕係って、吉岡秀隆くんじゃなくて、オダジョーだったんですか!?ビックリ!

★三谷幸喜もそろそろ先が見えてきた、そんな気分。彼の頭の中は横広いかもしれないけど、奥は深くない。そうシミジミ感じた退屈きわまりない136分。三谷!金返せ!と、思ったら、招待券で入場した事に気が付いた。あ~、もっと他の映画に使えばよかった!三谷!時間と招待券を返せっ!ちなみに、初日の2回目の上映で鑑賞したのですが、面白くなかったのは私だけでなかったようで、上映途中で豪快なイビキをかくオジさんが2人もいました。

 この映画に100万人もの日本人が詰め掛けたなんて、日本映画の他の監督の努力が報われない。もはや観客の感覚が、たわいもない娯楽とメジャーな芸能人を配したらそれでOK!てな、TVレベルにまで達したって事だろう。まず、役者が演技の域に達してない事に腹立たしさを感じる。あんなお遊戯会をしているようじゃ、『SAYURI』でハリウッドデビューを果たした役所広司の面目丸つぶれだ。【あゆ太郎のおススメ度=35点】

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2006年1月13日 (金)

歓びを歌にのせて 【As It Is in Heaven】

Yorokobi 2004年/スウェーデン/132分/監督・脚本:ケイ・ポラック/出演:ミカエル・ニュクビスト,フリーダ・ハルグレン,ヘレン・ヒョホルム

今年は映画的に幸先の良い年。それは、頭早々こんなに素晴らしい作品に出会ったから!至福の132分。

 久々に感動で何度も胸がブルブル震え、号泣してしまいました。かつ、どうして自分が映画を大好きになったのか?音楽や映画が人の心にもたらす影響を再確認しました。まるで、砂漠化しつつある現代に忽然と現れた、湧き出る泉のような映画なんです!あまりに素晴らしい映画なのに、映画館のスタッフに話を聞くと北九州でも福岡でも「あまり人が入っていない」と言います。東京では12月の公開後、客足は超好調で未だにロングラン上映中だし、アンケートによる映画鑑賞後の満足度は『ALWAYS 三丁目の奇跡』に次いで2位!映画館で見ないとあの音的感動が味わえないし、もっとたくさんの人に見て欲しい映画です。

★北欧の人々には身近な聖歌隊(音楽)を通じて、ごくごく普通の人々が”生きている”という実感、いや充実感、いや生きる歓びを得ていく過程がすばらしい。そして、個々人が身体の底から発する音がハーモニーを紡いでいく、その音に包まれながら自分もその音の主であると体感する至福感…。今もあの音と映像が目に浮かびます。良い映画はいつも何度も頭の中で反芻してしまうのですが、今、考えると主人公のダニエルはキリストをイメージして人物像を作ったのではないか?と思ったりします。どうなんでしょう?
 物語の中には、本末転倒な布教活動をする神父への批判やドメスティックバイオレンスから立ち上がる女性、「見てみぬふりをする」風潮になってしまった地域の住民に真っすぐ向き合う女性の姿など現代が抱える様々な問題も要所にちりばめられ、それがまたいいし、その処理の仕方が少しずつ尻切れトンボ的なのも映画ファンとして、考える余地を与えさせてくれてウレシイ。とにかく至福の132分!監督やキャストに感謝しつつ、1,800円払ってもお釣りがくる映画です。私はもう一度見に行きますよ!【あゆ太郎のおススメ度=95点】

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2006年1月 4日 (水)

ラヴェンダーの咲く庭で【Ladies in Lavender】

Ladies_12004年/イギリス/105分/監督・脚本:チャールズ・ダンス/原作:ウィリアム・J・ロック/出演:ジュディ・デンチ,マギー・スミス,ダニエル・ブリュール

ジュディ・デンチおそるべし!心も身体も乙女のまま老年になってしまった女性を怪演(?)してます。彼女なくして、この映画は成立しなかったでしょう。

★隠遁生活を送っている老女姉妹の妹(ジュディ・デンチ)が、家の近くの浜辺に打ち上げられていた謎の青年を発見する。彼女は言葉も通じない青年に「自分のために現れた王子様」と思い、恋してしまう…。
 中年にさしかかったと自覚しつつある年齢の筆者にとって、ヨン様や氷川きよし君など自分より若い男になりふり構わず突進していく(トチ狂ってるとしか言いようがない…)オバ様方を見てると、同性として見苦しいし、悲しくなってくる。「あんな年のとり方はしたくないっ!」とつくづく思ってしまう。だから、物語の序盤はとにかくジュディ・デンチ扮する妹アーシュラに生理的に嫌悪感が生じて「この先どうなるの?」と、一抹の不安を感じる。

 ジュディ・デンチといえば、たったワンシーン出た(迫力ある)エリザベス女王役でアカデミー賞を獲得したり、ジェームズ・ボンドの上司M役とか、年をとっても一線で活躍するカッコいいイギリス女性というイメージが私の頭にこびりついていた。それだけに、彼女がまったく対極に近い役柄を演じる事にも抵抗があったのです。ところがどっこい!イギリスが誇る名優中の名優ジュディ・デンチの演技がそうした思いをどんどんかき消していってくれるのだ。

 物語の時代が1936年。第一次世界大戦がはじまったのが1914年という事を考えると姉妹が若い頃、ヨーロッパが混沌とした時代だった事がわかる。実際、姉は新婚早々戦争で夫を亡くしている。そういうバックグラウンドと生まれつきの引っ込み思案で臆病な性格もあって、結婚にも恋愛にも縁のなかったアーシュラは「いつか白馬の王子様が私を迎えに来てくれると」いう思いを心の内に大切に大切にしまっていたのだ。そう死期も遠くないと自覚している彼女は、謎めいた青年との出会いをきっかけに心にしまっておいた宝箱の蓋をポン!と開けてしまったのだ。今まで味わった事のなかった押さえ切れない熱い想いや嫉妬心。
 自制がきかなくなったアーシュラがベッドでふさぎこみ流す涙の何と清らかなことか!知人の男性が昨年、たくさん見た映画の中でこの作品をベスト2に挙げて、「老人の恋を驚くことなかれ、ゲーテは73歳で17歳の少女にプロポーズした」と書いていたなぁ…。
 全体的にはオーソドックスなつくりで無駄がなく、そこが物足りないような、役者に下駄をまかせる監督の度量を感じるような…。ところで、この作品で姉役をしたマギー・スミスの老齢ぶりが気にかかります。ハリー・ポッターのシリーズ、どこまで持つのでしょうか?【あゆ太郎のおススメ度=70点】

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